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和田豊が今も悔やむ92年のタイガース「亀山も新庄も優勝争いの重圧でガッチガチ。僕らがもっと鼓舞できていれば...」 (4ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by Sankei Visual

 39年間、タイガース一筋の和田は選手、コーチとして3度の優勝を経験し、監督としては2014年、日本シリーズに導いた。16年からフロント入りしたが、今季復帰した岡田監督に「いつまでネクタイしとんねん」と言われ、要請を受けて二軍監督に就任。18年ぶりの優勝に貢献した。そして今、若い選手を指導する立場ゆえに、31年前の「ふたり」がリアルに思い出されるという。

「あの時、カメは開幕ベンチ入りしたけど、何日か後には一軍登録予定のピッチャーと入れ替え対象だったんです。それが、代走からつかんだチャンスを生かしてレギュラーを獲った。新庄も上がってきて即、初球を振り抜いた。だから今の若い子たちもね、チャンスはいつどこでくるかわからない。こないかもしれないけど、あきらめないで、気持ちを切らないでいてほしい。

 ファームから上がって優勝に貢献した選手、できなかった選手もいるけど、クライマックスシリーズ、日本シリーズと何が起こるかわからないんでね。本当に一瞬のチャンスで人生は変わるし、人の評価なんて一瞬で変わるから、しっかり準備しておいてもらいたいです」

(=敬称略)

著者プロフィール

  • 高橋安幸

    高橋安幸 (たかはし・やすゆき)

    1965年、新潟県生まれ。 ベースボールライター。 日本大学芸術学部卒業。 出版社勤務を経てフリーランスとなり、雑誌「野球小僧」(現「野球太郎」)の創刊に参加。 主に昭和から平成にかけてのプロ野球をテーマとして精力的に取材・執筆する。 著書に『増補改訂版 伝説のプロ野球選手に会いに行く 球界黎明期編』(廣済堂文庫)、『根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男』(集英社文庫)など

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