佐々木朗希に迫る164キロ!独立リーグの29歳右腕は隠し玉の財宝 獲得する球団は? (3ページ目)
「ファンがいっぱいいる環境でプレーしたい」と語るロドルフォ・マルティネス(photo by Asa Satoshi)この記事に関連する写真を見る
【日本の独立リーグは2Aレベル】
「ビエン(いいね)!」
マルティネスは日本の独立リーグをこう表現する。
「必ず抑えているわけではないからね。抑えたり、打たれたり......そういう意味では2Aくらいのレベルと言っていいと思うよ」
事実、マルティネスは投球イニング数とほぼ同じ16安打を打たれている。
MLBのアカデミーで育ち、アメリカのマイナーを経験している彼にすれば、独立リーグの環境は過酷なものだろう。
インタビューをした日の試合会場は、選手のロッカールームがなく、スタンドとも言えないような観客席に仮設テントを張り、控え室にしていた。
登板予定のなかったマルティネスは、チームメイトたちと内野スタンド奥の芝生席で観戦。地元の子どもたちと戯れていた。
「環境が整っているとは言えないけど、悪くはないよ。決して数は多くないけど、ファンもいて、いろんなところで声をかけてくれる。それに試合数が多いのがいいね」
ただ、レベルの高さは想定外だったようだ。
「なかなか三振を奪えないし、みんなコンタクトするのがうまい。アメリカやドミニカのバッターとは力対力の勝負で、僕みたいなパワーピッチャーの需要も高かったし、いい球を投げれば三振もとれた。でも、日本のバッターは独立リーグレベルでも、ちゃんと打席で考えて配球を読んでくるんだ。頭を使った野球っていうのかな」
そう語るマルティネスだが、もちろん目標はトップリーグだ。
「独立リーグというところは、やっぱり長くいるところではないからね。NPB、MLBにこだわらず、チャンスがあるほうに行きたいね。ファンがいっぱいいる環境でプレーしたい。とにかく今は残りのシーズンを頑張って、あとは"神のみぞ知る"だ」
NPBはシーズン143試合の長丁場。夏場を迎えて投手陣、とくに負担の大きいリリーフはどのチームも不足している。なかでも試合終盤を任せられるパワー型の投手は、喉から手が出るほどほしいはずだ。あとは外国人枠と金額の兼ね合いになるが、金銭についてはそれほど大きな額にはならないだろう。
最速164キロの豪速球は、やはり大舞台が似合う。
著者プロフィール
阿佐 智 (あさ・さとし)
これまで190カ国を訪ね歩き、22カ国で野球を取材した経験をもつ。各国リーグともパイプをもち、これまで、多数の媒体に執筆。国内野球についても、プロから独立リーグ、社会人野球まで広くカバー。数多くの雑誌、ウェブサイトに寄稿している。2011、2012アジアシリーズ、2018アジア大会、2019侍ジャパンシリーズ、2020カリビアンシリーズなど国際大会取材経験も豊富。
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