佐々木朗希に迫る164キロ!独立リーグの29歳右腕は隠し玉の財宝 獲得する球団は? (2ページ目)

  • 阿佐智●文 text by Asa Satoshi
  • 写真提供/徳島インディゴソックス

 夏のシーズンは、アメリカで契約をとれなかった選手たちが集まるドミニカの地方リーグ"リガ・シバオ"でプレーしていたというが、スカウトの目もなかなか行き届かず、いわば「ジャングルに埋もれた財宝」状態になっていたのだ。

 そんなマルティネスを日本に誘ったのは、長らく彼を見てきた代理人だった。NPBのスカウトの目が直接届く日本の独立リーグは、今やドミニカでも知られた存在となっている。

 今シーズンを迎えるにあたり、代理人が提示したプレー先のひとつが四国アイランドリーグだった。低報酬とはいえ、ドミニカの夏の地方リーグより条件がいい。なにより、スカウトの目に留まれば、NPB入りも夢ではない。マルティネスは日本行きを決めた。

「代理人が探してきてくれた契約のなかで、一番ビッグになる可能性が日本だったんだ」

 代理人は徳島インディゴソックスとの話をまとめ、マルティネスは単身来日した。

 多くのドミニカ人と同じように、マルティネスが持っている日本のイメージは東京だ。しかしたどり着いた先は、東京のイメージとはかけ離れた徳島という町だった。ドミニカの首都・サントドミンゴの隣町のビーチリゾート、ボカチカ出身の彼が驚いたのも無理はない。

「日本と言えば、僕らはトーキョーしか知らないからね。とにかく、トクシマは人が少ない(笑)。ドミニカ人なんてもちろんいないし、ラティーノ(ラテンアメリカ諸国の人々)もいない。でも、ドミニカの田舎町も似たような感じなので慣れたよ。寂しさはあるけど、大きな夢をつかむためにここに来ているので、そんなことは言っていられない。チームメイトとはうまくコミュニケーションをとれているし、NPBにいるヨハン・ミエセス(阪神)や、僕と同じ独立リーグでプレーしているブライアン・サンチェス(火の国サラマンダーズ)とは連絡をとりあっているからね」

 徳島でアパート住まい。自炊をして生活しているという。オフはたまに出かけることもあるそうだが、基本的にはトレーニングと休息につとめているという。

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