検索

WBCで大谷翔平は「先発でしか起用できない」、山本由伸は「リリーフ登板もあり得る」。星野伸之が考える侍ジャパン投手陣の起用法

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • Photo by Kyodo News

星野伸之が語るWBC2023 前編

投手陣の起用について

 3月8日に開催する第5回WBC。今回の日本代表にはMLBで活躍するダルビッシュ有や大谷翔平、2年連続で沢村賞を獲得した山本由伸など先発陣をはじめ、リリーフ陣も充実。短期決戦はシーズンと違う起用法も考えられるが、果たして首脳陣はどんな判断を下すのか。

 NPB通算176勝を挙げるなど長らくオリックスのエースとして活躍し、引退後はオリックスや阪神で投手コーチを務めた星野伸之氏に、侍ジャパンの投手起用について聞いた。

WBCに向けて調整する大谷(左)と山本WBCに向けて調整する大谷(左)と山本この記事に関連する写真を見る***

――選出されたピッチャー陣の印象はいかがですか?

星野伸之(以下:星野) 若くて力のある選手を多く選んだな、という印象です。ピッチャーだと30歳以上がダルビッシュ有投手(パドレス)だけですから。若いだけにミスもあるかもしれませんが、爆発力という点では期待しかないです。

――今回は不選出だった中で、選んでほしかったピッチャーはいますか?

星野 千賀滉大投手(メッツ)です。メジャー挑戦1年目でシーズンに向けた調整を優先した形になりましたが、"お化けフォーク"は外国人バッターに通用するんじゃないかと思っていました。選ばれた中にもフォークがいいピッチャーは多いですが、千賀投手のフォークは突出していますからね。

――確かに、フォークが得意なピッチャーが多いですね。

星野 先発の山本由伸投手(オリックス)、佐々木朗希投手(ロッテ)、髙橋宏斗投手(中日)や、リリーフ陣の栗林良吏投手(広島)、湯浅京己投手(阪神)、宇田川優希投手(オリックス)も、みんなフォークを持っています。外国人投手は落ちる系の球をあまり投げないので、非常に有効になると思います。

――各ピッチャーの役割をどう予想しますか?

星野 先発は大筋、ダルビッシュ投手、大谷翔平選手(エンゼルス)、山本投手、佐々木投手で回す形になりそうですね。全員が右ピッチャーなので、第二先発は今永昇太投手(DeNA)、高橋奎二投手(ヤクルト)、宮城大弥投手(オリックス)の左ピッチャーで目先を変えたいところ。高橋投手は真っ直ぐに力があるし、それがどこまで通用するか見ものです。

 宮城投手に関しては、クロスステップでスリークウォーターから投げるスローカーブがあります。昨年の日本シリーズでは村上宗隆選手(ヤクルト)に対して、目線を上げさせるためなのか、立て続けに投げていました。あの球は通用するんじゃないかと思います。ランナーがいる時は使いにくいかもしれませんが、そこまで足の速くないランナーだったら使えるかなと。

1 / 3

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

「きつねダンス」で球場を盛り上げるファイターズガール2022年メンバー12名・厳選カット集(54枚)

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る