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WBCで大谷翔平は「先発でしか起用できない」、山本由伸は「リリーフ登板もあり得る」。星野伸之が考える侍ジャパン投手陣の起用法 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • Photo by Kyodo News

――先発ローテーションはどう考えますか? 負けたら終わりの準々決勝以降の戦いを踏まえ、さまざまな意見が飛び交っています。

星野 日本は1次ラウンドが1位通過でも2位通過でも、準々決勝は3月16日ですよね。準々決勝に投げる先発ピッチャーには中5日か6日は空けたいです。1次ラウンドは球数制限が65球なので問題ないとは思いますが。となると、9日の中国戦か10日の韓国戦に投げさせないといけない。

 そう考えると、初戦の中国戦の先発は山本投手がいいんじゃないでしょうか。2戦目の韓国戦はダルビッシュ投手。3戦目のチェコ共和国戦と4戦目のオーストラリア戦は、それぞれ大谷選手と佐々木投手のどちらでいくかは悩ましいところです。ただ、日本が決勝まで進出した場合は、大谷選手に先発してほしいですね。

――そう考える理由は?

星野 勝ち上がってくると予想されるアメリカをはじめとした強豪国には、メジャー・リーグでも主要のバッターが揃っていますからね。だから準々決勝の先発は山本投手、準決勝はダルビッシュ投手、決勝は大谷選手と予想します。ダルビッシュ投手と大谷選手はアメリカのマウンドに慣れていますから、準決勝以降はメジャーで活躍するふたりに任せたいです(準々決勝までは東京ドーム、準決勝以降は米フロリダ州のローンデポ・パークで行なわれる)。

 また、山本投手が3月16日の準々決勝に投げると、決勝は22日(現地時間で21日)になるので決勝でのリリーフ登板ならいけるかもしれない。ただ、中国戦、準々決勝、決勝と3試合投げさせてもいいのかは、オリックスの首脳陣とどういう話をしているのか次第です。

――ここまでお話しいただいたピッチャーの起用法だと、山本投手がキーマンになりそうですか?

星野 そうですね。先ほどお話ししたように、3試合投げられるのであれば、3試合目はリリーフ待機もあるかもしれません。

 ダルビッシュ投手は、年齢を感じさせないパフォーマンスは見せていますが、しっかり間隔を空けたほうがいいと思います。あとは、佐々木投手をどうするか。第1次ラウンドですごいピッチングをしたらもう1回投げさせたいでしょうけど、そうなった場合は、準決勝で2番手に佐々木投手を登板させるパターンもあるかもしれませんね。

(後編:自分で考えた侍ジャパンのスタメンは、投手目線で「嫌だな」。自分が現役だったら「WBCには出たくない」>>)

【プロフィール】

星野伸之(ほしの・のぶゆき)

1983年、旭川工業高校からドラフト5位で阪急ブレーブスに入団。1987年にリーグ1位の6完封を記録して11勝を挙げる活躍。以降1997年まで11年連続で2桁勝利を挙げ、1995年、96年のリーグ制覇にエースとして大きく貢献。2000年にFA権を行使して阪神タイガースに移籍。通算勝利数は176勝、2000三振を奪っている。2002年に現役を引退し、2006年から09年まで阪神の二軍投手コーチを務め、2010年から17年までオリックスで投手コーチを務めた。2018年からは野球解説者などで活躍している。

◆Youtubeチャンネル「星野伸之のスローカーブチャンネル」>>

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著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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