阪神・西純矢が語る「佐々木朗希ショック」から初先発初勝利まで。"現実"を味わう日々にも「大丈夫」 (6ページ目)

  • 菊地高弘●取材・文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kyodo News

 初登板の後は、「現実」を味わう日々が続く。6月6日のソフトバンク戦では、ジョー・ガンケルの体調不良による登板回避で緊急先発。3回3失点で初黒星を喫した。ファームでも9試合に登板して、防御率4.82と結果を残しているとは言いがたい。

 だが、19歳の足元ばかりをじっと見つめても仕方がない。少し視線を上げるだけで、その先にはまばゆい光が見えてくる。

 自分自身に対して、どんな期待を抱いているか。最後に西に尋ねてみると、こんな答えが返ってきた。

「中学の時からそうなんですけど、全国大会とか日本代表とか大きな舞台に強いほうだと思うんです。そういう意味では、大事な時こそ自分の力が発揮できるんじゃないかな、と。甲子園球場も高校野球とプロでは雰囲気がまるで違って、めちゃくちゃ緊張しました。でもまあ、大丈夫なんじゃないかなと思います」

 プロ野球選手・西純矢の歴史はまだ2ページ目のなかばに差しかかったばかり。そのストーリーは、これから見る者を次々に引き込んでいくに違いない。

【profile】 
西 純矢 にし・じゅんや 
2001年、広島県生まれ。創志学園高(岡山)では、2年時に夏の甲子園にエースとして出場し、初戦で16奪三振の完封勝利を挙げる活躍を見せた。2019年ドラフト会議で阪神タイガースより1位指名。2021年5月のヤクルト戦で初登板・初先発・初勝利を果たした。

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