阪神・西純矢が語る「佐々木朗希ショック」から初先発初勝利まで。"現実"を味わう日々にも「大丈夫」 (2ページ目)

  • 菊地高弘●取材・文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kyodo News

 3番・山田哲人、4番・村上宗隆と、強力な中軸をストレートでフライに打ち取る。さらに5番のホセ・オスナは外角低めいっぱいに決まるストレートで見逃し三振。角度と威力のある速球は、この日のベストボールだったのではないか。そう聞くと、西はうなずいてこう答えた。

「高さもコースもすごくよかったと思います。あのボールを続けて投げていけたらいいなと」

 2019年秋の阪神のドラフトは、将来性に振り切っていた。ドラフト1位から5位まで、甲子園で活躍した高校生を立て続けに指名。栄えある1位指名を受けたのが、西だった。

 西純矢の名前が全国区になったのは、高校2年夏の甲子園である。創志学園(岡山)の2年生エースとして、初戦で創成館(長崎)相手に16奪三振の完封勝利。帽子を振り飛ばし、派手なアクションのガッツポーズを繰り返す姿は鮮烈だった。

 ところが、下関国際(山口)との2回戦では、不本意な内容で敗戦している。初回に球審から派手なガッツポーズをとがめられ、試合後には「審判と勝負してしまった」というコメントを残している。あらためて3年前の心境を聞くと、西は「もっと冷静に投げるべきでした」と反省の弁を口にした。

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