イチロー世代の三冠王・松中信彦が
独立リーグ指導者として伝えたいこと (4ページ目)
── リーグとしてはどんな印象を持たれましたか。
「四国の4チームを見ただけですが、僕がイメージしたハングリーさはないですね。厳しい環境でやっているわりには物足りない。もっと殺気立っているのかなと思っていたけど、淡々と野球をやっている感じです。
香川の選手たちには『淡々と野球をするな。目標に向かって懸命にやりなさい』と言っています。試合中の声出しにしても『人をけなすのではなく、野球にプラスになる言葉を発しなさい』と。選手たちにはNPBに行って、そこで活躍してほしい。NPB経験者として厳しさはわかっているので、そういう部分をしっかりと教えたいですね」
── 香川に有望な選手はいますか。
「数は多くいませんが、モノになりそうな選手はいます。そういう選手は監督とも話し合って、なるべく実戦で鍛え上げたいと思っています」
── 近藤智勝監督とはどのような役割分担でやっているのですか。
「僕は選手にも監督にもアドバイスをする役割です、近藤監督はチームのことをよく知っているので、現場のことは任せて、それをサポートする役割ですね。試合を見ていて、たまに選手に厳しく接することもありますが、あまり言うと近藤監督もやりづらいと思うので、そこはうまく考えてやっていきたいと思います。
あと、GMの仕事のひとつとして選手の獲得があります。昨年、就任直後のオフに元阪神の歳内宏明投手を獲得しました。現在、勝利数、防御率、奪三振など、ほとんどがリーグトップの成績でNPB復帰に最も近い選手と言われています」
── コロナ禍のなか、シーズンが始まりましたが、何を目標にしていますか。
「最初、選手には『何事も勝ちグセをつけることが大事』と伝えました。人生にも勝つ、野球にも勝つ、自分にも勝つ。そういう意味では試合に勝つことも大事です。やっぱり優勝したいですし、ひとりでも多くの選手がNPBに行って活躍してほしい。厳しい環境ではありますが、自分なりにしっかりと目標を持って頑張ります」
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