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イチロー世代の三冠王・松中信彦が
独立リーグ指導者として伝えたいこと (3ページ目)

  • 広尾晃●文 text by Hiroo Koh
  • 写真提供●香川オリーブガイナーズ

── そして独立リーグとの出会いがあった。

「昨年8月に香川オリーブガイナーズのイベントに出席させていただき、その日はたまたまソフトバンク三軍との試合で......そのあとに香川球団のオーナーからGMのお話をいただきました。

 GMという役職は責任も重大で、即答はできませんでした。でも、僕自身はそろそろユニフォームを着たい、野球を教えたいという気持ちがありましたので、妻ともしっかり相談したうえでお引き受けさせてもらうことにしました」

── 独立リーグに来て、NPBとのギャップに驚く人も多いと聞きます。

「環境は間違いなくNPBとは違います。それに独立リーグは観客動員が少ないので、スポンサーがいないと成り立たないということも感じました。選手たちもお金がないのでアルバイトをしながら練習しています。そのあたりは大きな違いですね」

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── 選手の違いはどう感じましたか。

「独立リーグの選手と話をしてびっくりしたのが、多くの選手が『プロに行けばOK』『育成でもいいからNPBのユニフォームを着たい』と言っていたことです。ちょっと衝撃を受けました。独立リーグの選手はもっとハングリーさがあって、NPBへ行っても『のし上がってやろう』と思っているのかなと思っていたら、そうではなかった。

 NPBはそんなに甘い世界じゃありません。そんな意識では、たとえNPBに行ったとしても2、3年でクビになって、途方に暮れることになる。僕は『NPBに行きたい』と言う選手はつくりたくない。『NPBに行って活躍したい』という選手をつくりたい。厳しい言い方ですが、NPBに行くだけで満足するような心構えなら、行かないほうがいい。普通に就職したほうがいいと思います」

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