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巨人・湯浅大の守備は「お掃除ロボット」。
坂本勇人の後継者となるか (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Sankei Visual

 湯浅のフィールディングが楽しみで、ずいぶんと健大高崎の試合を見に行ったものだ。見るたびにどんどんうまくなって、いつも新しいアクションを披露してくれた。

 これまでフィールディングが見たくて観戦しにいった高校生は、福岡工業の中島卓也(現・日本ハム)、明豊の今宮健太(現・ソフトバンク)、仙台育英の平沢大河(現・ロッテ)、天理の太田椋(現・オリックス)ぐらいで、もちろん健大高崎の湯浅もそのひとりだ。

 健大高崎といえば、当時は"機動破壊"をスローガンに掲げ、圧倒的な走塁で高校野球界にセンセーションを巻き起こしていた。湯浅も50メートル6秒の俊足だが、とにかく彼に関してはフィールディングだ。1学年下に山下航汰(現・巨人)という天才バットマンが台頭していたが、湯浅の守備ばかりに目を奪われていた。

 緩い打球のゴロが転がると、ササッと前に出てきてスピードを落とすことなく捕球して、一塁へ送球する。その送球も力任せに投げるのではなく、一塁手が捕りやすい力感で投げるから、スローイングに破綻がない。

 正面の強烈なゴロには瞬時に身をかがめ、膝から下でグラブを使い、捕球するや矢のような送球で打者をアウトにする。

 湯浅には前後左右、フィールディングに何通りものバリエーションがあって、打球がどこに飛んでもアウトにできる安心感があった。「守備だけでメシが食える」選手になるだろうと思った。

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