2020.06.24

巨人・湯浅大の守備は「お掃除ロボット」。
坂本勇人の後継者となるか

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Sankei Visual

 たしか、今年ホンダ鈴鹿から西武にドラフト5位で入団した柘植世那(つげ・せな)の取材で健大高崎高校(群馬)のグラウンドに行った時のことだから、もう6年前の話になるだろうか。

 秋も深まった頃で”赤城おろし”の凍える風にさらされながら、青柳博文監督と野球談義に花を咲かせていると、翌年春に入学してくる新入生の話になった。

 当時、健大高崎の野球部には10人近いスタッフがおり、指導者以外にも中学生のスカウト担当者がいて、毎年個性豊かな選手が全国から集まっていた。

「来年入ってくるショート、うまいですよ〜。中学生であんなうまいショートは見たことがない。とにかくうまい」

 歴戦の辛口監督が「うまい」を連発して、手放しで褒めたたえていた。どこの選手ですかと聞くと、地元、群馬の選手だという。

プロ3年目で初の開幕一軍を果たした巨人・湯浅大「富岡ボーイズの選手で、名前は……そうだ湯浅だ、湯浅大です。兄貴も花咲徳栄(埼玉)で内野手をやっています。守備だけなら、兄貴よりもずっと上じゃないですか」

 そんな湯浅を高校入学後に見たのは、1年の秋だった。

「スパープレーをするタイプというよりは、捕れる打球は全部アウトにしてくれるタイプです」

 青柳監督が教えてくれたとおりの”遊撃手”だった。とにかく、低い。腰の位置が低く、頭と目の位置も低い。だから、ゴロがイレギュラーしてもとっさに反応できてしまう。ネット裏の高い場所から見ていると、本当に地を這っているように見える。その姿は、まるで”お掃除ロボット”のようだ。