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【プロ野球】「金本監督が阪神を変えた」 原口文仁が明かす、18年ぶり優勝につながった組織改革と常勝軍団への転換点

  • 長谷川晶一●文 text by Shoichi Hasegawa

元阪神タイガース・原口文仁インタビュー(中編)

 育成契約、支配下復帰、大腸がんとの闘い、そして18年ぶりのリーグ優勝──。決して順風満帆ではなかった16年間だからこそ、原口文仁氏は「阪神タイガースの変化」を肌で感じてきた。新著『道なき道を 大腸がんという宿命を使命に変えて』(集英社)では、自身の歩みだけでなく、チームがなかなか優勝に手が届かない時期を抜け出し、常勝軍団へと変貌していく舞台裏にも触れている。育成からはい上がった男が振り返る現役生活、そして金本知憲監督時代から始まった組織改革の真実とは。

2019年1月に大腸がんを公表し、同年6月に復帰した原口文仁氏 photo by Yoshihiro Koike2019年1月に大腸がんを公表し、同年6月に復帰した原口文仁氏 photo by Yoshihiro Koikeこの記事に関連する写真を見る

【育成からはい上がった16年の軌跡】

── 新刊『道なき道を 大腸がんという宿命を使命に変えて』では、ご自身の幼少期やプロ入り直後の半生についても振り返られています。ユニフォームを脱いだ今、あらためて16年間の現役生活を振り返っていただけますか。

原口 プレーしている間は、1年1年が勝負ですごく長く感じていたんです。でも、こうして過ぎてみたら、「本当に16年もやったのかな」と思うくらい、あっという間でしたね。現役を終えてからのこの半年間は、さらにとてつもないスピードで時間が過ぎていっている感覚です。野球をやっていたときとはまったく異なる時間の過ぎ方だな、というのを今まさに体感しています。

── 本書巻末の成績を見ると、プロ16年に対して実働は10年となっています。育成契約の期間や闘病生活もありましたが、この数字をご自身ではどうとらえていますか。

原口 プロ野球選手としてもっと成績を残す、あるいは一軍での試合出場を増やすという点だけを考えたら、「若い年代からもっと試合に出なければいけなかったな」という思いはすごくあります。ただ、一軍のレベルに達するまでの成長スピードというのは、本当に人それぞれ違いますから。成長がもっと早ければなという気持ちもありつつ、僕の野球人生はこういう形だったんだと受け入れています。自分のなかではやりきった結果がこの成績なので、悔いや後悔というのはいっさいないですね。

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著者プロフィール

  • 長谷川晶一

    長谷川晶一 (はせがわ・しょういち)

    1970年5月13日生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務を経て2003年にノンフィクションライターとなり、主に野球を中心に活動を続ける。05年よりプロ野球12球団すべてのファンクラブに入会し続ける、世界でただひとりの「12球団ファンクラブ評論家(R)」。主な著書に、『詰むや、詰まざるや 森・西武 vs 野村・ヤクルトの2年間 完全版』(双葉文庫)、『基本は、真っ直ぐ──石川雅規42歳の肖像』(ベースボール・マガジン社)、『いつも、気づけば神宮に 東京ヤクルトスワローズ「9つの系譜」』(集英社)、『中野ブロードウェイ物語』(亜紀書房)、『名将前夜 生涯一監督・野村克也の原点』(KADOKAWA)ほか多数。近刊は『大阪偕星学園キムチ部 素人高校生が漬物で全国制覇した成長の記録』(KADOKAWA)。日本文藝家協会会員。

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