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オランダ人のバンデンハークは
なぜ「無双の先発投手」になれたのか? (3ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 スカウトは、バンデンハークにフロリダにあるマーリンズのアカデミーにピッチャーとして入るように勧めた。突然のコンバートだったが、夢を実現させたいバンデンハークにとって、ポジションを変えることなど大した問題ではなかった。

 バンデンハークはフロリダに移り住み、アカデミーに通いながらアメリカの高校を卒業。同時にピッチャーへの転向も無事に成功させた。

 2002年11月、マーリンズはバンデンハークをアマチュアのフリーエージェントとして獲得した。そして2007年4月10日、ついに夢が現実になる日がやってきた。バンデンハークはブルワーズ戦に先発して、4回2/3を投げ、勝敗こそつかなかったものの、チームは勝利をおさめた。結局、その年、マーリンズで18試合に登板(うち先発が17試合)し、4勝6敗という成績を残した。

 しかし、それ以降は浮き沈みの激しいシーズンを繰り返し、いくつかの球団を渡り歩くことになってしまった。2012年、パイレーツに所属していたバンデンハークは9月にメジャーに昇格し、中継ぎとして4試合に登板した。そのオフ、バンデンハークは自身の野球人生について深く考えた。それと同時に韓国プロ野球(KBO)のサムスン・ライオンズからオファーがあった。バンデンハークが振り返る。

「マイナーではずっと先発を任されていたのですが、パイレーツでは中継ぎでした。チームも、僕は先発なのか、中継ぎなのか、どっちに適性があるのかがわからなかった。ただ、自分では先発に向いていると思っていましたし、そこで投げたいという思いでやっていました。もちろん、そのためにはもっと力をつけないといけないと感じていました。ちょうどそのときです。(韓国の)ライオンズから話が来たのは。そしてライオンズは先発として見てくれるということで、ぜひ韓国でやってみたいと思ったんです」

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