黒田博樹×桑田真澄 対談「変えなきゃいけないことが多すぎる」 (5ページ目)
桑田 球場の広さも違いますよね。ピッチャーにとっては厳しいんじゃないですか。
黒田 でも、アメリカン・リーグの東地区の球場はヒッターズ・パーク(バッター有利の狭い球場)ばかりだったので、そういう部分ではメジャーの方が大変でしたし、もともと僕がいたカープは広島市民球場でしたから。あの狭い球場を経験しているので、そういう意味では、広島のマツダスタジアムができて広くなったというのは、自分にとっては大きいんじゃないかなと思っています。
桑田 キャンプの時の投げ込みも違うでしょう。カープでも以前は投げ込みをしろと言われたんじゃないですか。
黒田 昔はそうでしたね。
桑田 キャンプで何千球投げろとか。
黒田 ありました。でもそれは、メジャーに行ってからは一切ありませんでした。むしろ抑えろ、投げるなと言われましたね。とにかく一年を見て調整させられますから、春先だけじゃなく、8、9月の勝負どころでどれだけチームの力になれるかということを意識させられました。
桑田 トータルで考えているから、投げ込みはしないということ?
黒田 そうです。ヤンキースでは8、9月になったら登板間にもブルペンに入らないほうがいいとコーチに勧められました。日本では怖くて、そんな調整はなかなかできませんでしたけど、そういう考え方もあるんだと、これも勉強させてもらいました。
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