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黒田博樹×桑田真澄 対談「変えなきゃいけないことが多すぎる」 (3ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 梅田雄一●写真 photo by Umeda Yuichi

黒田 はい。日本のボールはメジャーのボールに比べるとしっとりしていて、どうしても指へのかかりがよくなるので、大きく曲げたくなってしまうんです。そこをどれだけ我慢できるかというのは課題ですね。あとは桑田さんがおっしゃるように、ツーシーム系のボールをどれだけバッターの手元で小さく変化させられるかというのは、自分の勝負どころだと思っています。

桑田 アメリカへ行くときにストレートへのこだわりを捨てたという話を聞きましたが、今の時点ではフォーシーム......つまり、きれいな真っすぐへの意識はどうですか。

黒田 配球のバランスの中ではフォーシームを使っていかないといけないと思います。メジャーでは最初、意識的にフォーシームは減らしたんです。ツーシームが90パーセントだったシーズンもありました。そうすると、今度は相手チームがそういうデータを揃えてきますから、ヤンキースに移ってからは、またフォーシームを増やしたりしました。フォーシームを増やすとファウルを誘えますし、向こうではそうやって一年一年、ちょっとずつ配球のバランスを変えながらやってきましたね。

桑田 カーブについてはどうでしょう。

黒田 去年、桑田さんがヤンキースのスプリング・トレーニングの取材でタンパに来られた時、逆に僕がカーブについていろいろと教えていただいて......でも、なかなかうまくいきませんね(苦笑)。 カーブって一番難しいと思うんです。だから、そんな簡単に投げられるもんじゃないということが、改めて分かりました。あれ以来、桑田さんのアドバイスを参考にしながら練習はさせてもらっていましたけど、やっぱり僕はアメリカのボールよりも日本のボールのほうがしっかり指にかかる感じがするので、向こうではカーブは使い切れませんでした。ただ今年はなんとかしたいと思っているんですけど......指から抜くのと、指にかけるのとでは、同じカーブでも種類が違いますよね。

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