黒田博樹の覚悟「野球人生がいつ終わっても、悔いはない」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 梅田雄一●写真 photo by Umeda Yuichi

黒田博樹×桑田真澄 対談(後編)

 黒田博樹がメジャーで活躍していた間、広島は大きく変わった。投手は前田健太がチームの大黒柱となり、野手では菊池涼介や丸佳浩といった若手が台頭。優勝を狙える戦力が整った。そんなチームを8年ぶりに復帰した黒田はどう見たのか? 前田健太への思い、新天地に懸ける意気込み、そして引退について、桑田真澄氏にすべてを語った。
(前編はこちら)

あと18勝で日米通算200勝となる黒田博樹(背中は桑田真澄氏)あと18勝で日米通算200勝となる黒田博樹(背中は桑田真澄氏)

桑田 黒田くんにとっては今回の選択は厳しい決断だったと思います。僕はもう一年、向こうでやるんじゃないかと思っていたんですけど、でも、メジャーに残るよりもむしろ、カープに戻ることの方が大変だったんじゃないですか。

黒田 そうかもしれませんね......でも、自分の中のどこかで、もし今年、アメリカに残って結果が出なければ引退しないといけないと思ってました。そういう形になったら、何か引っかかる部分があったんじゃないかなと思ったので、それなら広島に戻って、日本の野球に少しでもプラスになることができればいいなと思ったんです。

桑田 会見で「あと何年、野球ができるかわからない。カープで野球をすることのほうが一球の重みを感じられる」と話したそうですね。

黒田 現時点で僕は、野球人生がいつ終わっても、もう悔いはないと思っています。最後がどういう形になるのか、今はまだまったく想像がつきませんけど、メジャーでやらせてもらって、またこうやって広島へ帰ってくるという機会も与えてもらって、もう、いつ終わってもいいと思っているのは確かです。

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