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黒田博樹×桑田真澄 対談「変えなきゃいけないことが多すぎる」 (4ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 梅田雄一●写真 photo by Umeda Yuichi

桑田 僕のカーブは指にかけるカーブじゃなくて、抜くカーブでした。中指と親指の二本でボールの外周を握って、人差指は添えるだけ。中指と親指の間からボールを抜くんですけど、その瞬間、親指でボールを掻いてスピンをかけるんです。抜くカーブは球種として持っているといいですよ。球種って、スピードで分けると速球、遅球、中間球とあるんですけど、中間球の球種を増やすより、緩い球をひとつ持っているほうがバッターのタイミングを外せますからね。フッと一回抜くことによって、簡単にワンストライクを取れたり、ファウルを打たせたりできる。緩い球を一球挟むと、次の速い球で詰まらせることもできる。だからカーブはストライクを投げられなくても、ボール球でもいいんです。

黒田 なるほど......残像を残すだけでもバッターの反応は変わってくるんですね。やっぱりカーブは今年もトライしていきたいなとは思います。

桑田 日本のストライクゾーンの感覚は思い出しましたか。

黒田 僕のイメージだと、右バッターで言えば、アメリカのほうがちょっと外にずれているかな。狭いとか広いというのではなく、同じ幅のゾーンがそのまま外角へ移動している感じですね。だからアメリカでは右バッターのインサイドはほとんどストライクを取ってもらえません。でも、日本ではインサイドは取ってくれる。逆にアウトコースはアメリカの方が広く取ってくれますよね。向こうの選手はみんな手が長いので、外角に関してはかなり外れていてもストライクになる感じです。

桑田 7年も向こうでやってたら、その感覚を取り戻すのも難しいでしょうね。

黒田 自分でもそこは難しいかなと思ってます。でも、右バッターにツーシーム系のインサイドを使えるのは大きいかなとも思います。

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