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河村勇輝の現在地は? ベテラン記者が解説するシカゴ・ブルズのチーム編成の意図

  • 杉浦大介●取材・文 text by Daisuke Sugiura

シカゴ・ブルズで初のNBA公式戦に出場した河村勇輝 photo by Getty Imagesシカゴ・ブルズで初のNBA公式戦に出場した河村勇輝 photo by Getty Images

後編:河村勇輝、NBA2年目の挑戦

 河村勇輝は現地時間1月31日、マイアミでのヒート戦にシカゴ・ブルズの控え選手として出場し、2025-26シーズンのNBAデビューを果たした。この日、約11分をプレーし、6得点、2アシスト、2スティールで勝利に貢献。その実力をあらためて披露し、期待を膨らませたブルズファンは少なくなかっただろう。

 ただ今後、NBAでどれだけ活躍できるかを考えたとき、2ウェイ契約を結ぶブルズのチーム状況もポイントのひとつになる。今季のブルズには数多くのガード選手が属しており、ポイントガード(PG)も飽和状態。主力にケガ人が出たことで31日の出場が可能になったが、これから先は未知数ではある。2月5日のトレード期限までに数人が放出される可能性も囁かれ、そちらからも目が離せない。

 シーズン後半、ブルズのロースター構成はどうなっていくのか。河村がNBAでまとまったプレー機会を得るチャンスはどれだけあるのか。

 それらの問いの答えを得るため、アメリカ東海岸を拠点にし、『HoopsHype』のシニアNBAインサイダーとして活躍するベテラン記者、マイク・スコット氏に意見を求めた。スコット氏はブルズと河村の2度目の2ウェイ契約の際、第一報を出した米メディアでもある。ブルズのチーム状況も熟知しており、その言葉には説得力がある(個人スタッツは現地2月1日現在)。

前編〉〉〉河村勇輝が1月下旬にコートに復帰 今後の進むべき青写真とは?

【河村の今後とブルズの現状】

――河村のNBAでの今後をどう見ていますか?

マイク・スコット(以下、MS): 私がこれまで話を聞いた人たちは、例外なくユウキの人間性を評価している。ロッカールームでの存在感はすばらしいし、ハードにプレーし、求められることをすべてやる選手だ。ベストケース・シナリオを挙げるとすれば、将来的にNBAのどこかのチームに第3のPGとして定着することだろう。サイズが小さい選手なのは明らかだが、バックアップ(2番手PG)としての出場時間を得られるなら、それはなおいい。

――将来的に本契約を勝ち取るためのカギは?

MS : ユウキは本当に優れたパサーだ。ただ、このサイズでNBAに定着するためには、高確率の3Pシューターである必要がある。安定したNBA選手になるには、それに加えて適切なチャンスが必要だ。昨季、グリズリーズで出場機会を得たときに、能力の片鱗は見せていた。その力を存分に発揮するためには、PGが少なく、実際にプレーするチャンスを与えてくれるチームにいく必要がある。

――河村にはNBAに定着するだけの力があると思いますか?

MS : リーグにいるほかの多くの選手と同じで、ユウキにも才能は十分にある。NBA定着の可能性はある。ただ、PGというポジションは人材が飽和していて、単純に枠の面で難しさが存在する。まだ2ウェイ契約の資格を持っていることによってチャンスをつかむ助けになるが、その資格もいずれはなくなる。だから2ウェイ契約が可能なうちに、自分の立場を固めなければならないと思う。

――河村が所属するブルズは優勝候補ではなく、かといって再建体制でもない、中途半端な立ち位置にいるように見えます。今はどういうチーム状況なのでしょう?

MS : ここ3シーズン、ブルズは毎年プレーイン・トーナメントに出場してきた(=カンファレンス7〜10位のチーム)。今の彼らはより若く、身体能力に恵まれたチームになろうとしている。私が思うに、彼らが本当に軸にしていきたいのはジョシュ・ギディー、マタス・ブゼリスのふたりだ。ほかの選手たちは放出、移籍の可能性がある。契約最終年の選手を6〜7人抱えていて、その全員が戻ってくるとは思えない。それがトレード期限になるか、シーズン終了後になるかはわからないが、遅くとも夏までには、ブルズには変化が起きるはずだ。

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著者プロフィール

  • 杉浦大介

    杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)

    すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう

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