河村勇輝の現在地は? ベテラン記者が解説するシカゴ・ブルズのチーム編成の意図 (2ページ目)
【2月5日のトレード期限に動きはあるのか?】
――2月5日のトレード期限に向けて、何をしようとしているのでしょう?
MS : 契約が今季限りの選手を移籍市場に出したとして、どんな見返りが得られるのかを探っているところだ。ニコラ・ブチェヴィッチ、ザック・コリンズ、ケビン・ハーター、コビー・ホワイト、アヨ・ドスンム、ジェボン・カーター、デイレン・テリー、ジュリアン・フィリップスといった契約最終年の選手たちのなかで、特に関心を集めているのはドスンムだ。年俸750万ドル(約11億2500万円)と安価ながら、ドスンムは今季平均15.0得点とキャリア最高のシーズンを過ごしている。26歳と年齢的にも今がピークのPGに、多くのチームが目を向けている。また、ホワイトはここ3年、ほぼ同じレベルのパフォーマンスを続けていて、とてもよい選手だ。
ドスンム、ホワイトはFAでかなり大きな昇給を受ける立場にある。ブルズにそれが払えるかどうか。キャップスペースは十分にあるから不可能ではないが、ロスター全体を見れば、ほかにも考えなければならない点が多い。だからどこかの段階で彼らを放出するのは理に叶う。
――ホワイトのほうが選手としては格上ですが、ドスンムのほうがトレードマーケットで人気になっている理由とは?
MS : 今季も平均18.5得点をマークしているホワイトを放出するのであれば、ブルズは多くの見返りを望むからだ。一方、ホワイトを獲得するチームは多くの犠牲を払うことになるため、再契約して高額を支払う前提で考えなければならない。その難しさがあるから、より安価のドスンムが最も人気になっているというわけだ。
――ほかに放出される可能性が高い選手を挙げるなら?
MS : ブーチェビッチは常にトレードの可能性が取り沙汰されてきた選手だが、ブルズが求める対価を得られたことは一度もない。だから今季も動きがあるかどうかはわからない。もうひとつ言えるのは、ブルズは複数チームが含まれるトレード、三角トレードのような形に関わる可能性もあるということ。契約最終年の選手をうまく駒に使ってドラフト指名権をいくつか手に入れる、というような展開はあり得ると思う。
――ギディー、ホワイト、ドスンム、トレ・ジョーンズ、ジェボン・カーターなど、ブルズはとにかくガードの多いチーム。河村がシーズン後半に意味のある出場時間を得るとすれば、複数のガードを放出し、層が薄くなったときだと思いますか?
MS : そうなれば可能性は膨らむが、ブルズがホワイト、ドスンムのうちのひとりでも放出すれば、それだけで20分以上の出場時間が空くことになる。長いシーズンのなかで、何が起きるかはわからない。だからチーム解体までいかずとも、トレードが起きればユウキにとって出場のチャンスは増えるのは間違いない。
著者プロフィール
杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)
すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう
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