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【プロ野球】不動の中日内野陣に世代交代は起こるのか? (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 その一方で、守備は苦戦を強いられている。高校時代から、「自分はショート無理です。肩の強さでカバーしているだけですから」と言っていたが、やはりプロの打球に反応するのは難しいようだ。

「(打球が)全然違いますね。まだ全然レベルに達してないです。でも、サードなんでショートよりは気が楽ですね。自分の中で、ちょっとはいけるぐらいの感覚があるんで」

 そんな高橋に同調するように、渡辺博幸内野守備走塁コーチもこう言う。

「普通のゴロを普通に処理してくれれば今の段階ではいいんじゃないかな。まだ難しい打球になるとあたふたしているけど(笑)。最近は『渡辺コーチ、守備お願いします』と言ってきているから、もしかしたら意識高く持ってきたのかなと。これから練習も入れていくし、スピードに慣れればたぶん大丈夫だと思うよ」

 サードのレギュラーにどっしり構えるサードの森野は2009年にはリーグ最多の25失策を記録するなど、決して守備はうまくない。バッティング次第では、高橋のレギュラー獲りの可能性も十分に期待できる。

 期待のルーキーばかりに注目が集まるが、かつてのゴールデンルーキーも負けてはいない。セカンドのポジションを虎視眈々と狙っているのが、2006年の高校生ドラフトで1位指名を受けた堂上直倫だ。

 愛工大名電時代は、日本一を達成した2年春のセンバツで2本塁打を放つなど、高校通算55本塁打をマークしたスラッガーだったが、今や定評があるのは守備力。渡辺コーチも「バッティングが普通にやれれば、すぐにレギュラーだよ」と守備力の高さは実証済み。

 入団以来、毎年打撃改造に着手。今オフは「変なクセがついていたので」と1週間あえてバットを持たない日を作るほど悩んだが、このキャンプでの表情は明るい。

「(フォームに関して)今年は自分のオリジナルを入れています。もちろん、去年まで教わったことは無駄じゃない。バットの出し方とかステップの幅とかは今までどおりですし、変えたのは構えぐらいですね」

 そういう堂上だが、気持ちの部分では大きな成長を見せた。18日の韓国・LG戦、第1打席で初球をレフト前にはじき返すと、二死二塁で迎えた第2打席はカウント3-0から振っていった。結果はショートフライだったが、バッティングに自信のなかった昨年までは見られなかった積極的な姿勢だった。

「じつは一昨日(16日)も3-0から振って、詰まったレフトフライだったんです。ムキになってチャレンジしてみました(笑)今だからできることだし、なるべく振るように心掛けています。前までは(好球でも)見ちゃうことがあった。でも今は、振れるかたちになってきたと思います」

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