【MLB】ホワイトソックスを牽引する村上宗隆 ベテラン番記者が語るその存在価値|現地ルポ (2ページ目)
【トレードされることはない。99.99%、そう断言していい】
ホワイトソックスと日本人選手の縁は浅くない。高津臣吾は2004年にクローザーとして活躍し、井口資仁は2005年、2006年に二塁手のレギュラーを務め、2005年の世界一にも貢献した。筆者もその縁で、長年GMを務めたリック・ハーンと知己を得た。ただし、同球団が長年にわたって日本へ積極的にスカウトを送り続けてきたわけではないし、日本市場に特別詳しかったわけでもない。そう考えると、報道されているように、他球団が手を引いた末に村上を獲得できたことは、ホワイトソックスにとって幸運だったと言えるだろう。
ゲッツGMは、わずか2年総額3400万ドルの投資で、5月28日終了時点で20本塁打(MLB全体2位タイ)、43得点(同2位タイ)、41打点(同6位タイ)、OPS.947(同5位)を記録するMLB屈指のスラッガーを手に入れたのである。
村上のホワイトソックス入団が決まった当初、契約が2年だったこともあり、「期待どおりの活躍を見せるなら、トレード期限前に放出し、有望株との交換材料にすべきだ」という意見も少なくなかった。しかし、球団の内情に詳しいメルキン記者は、そうした見方を一蹴する。
「彼がトレードされることはない。99.99%、そう断言していい。まず第一に、仮に今日この時点でシーズンが終わるなら、ホワイトソックスはプレーオフに出るチームです。もちろん、実際にはシーズンは今日で終わるわけではありません。でも、今の状況で彼を出す理由はありません。たとえこの先、25連敗するような極端なことが起きてチームが大きく失速したとしても、私は彼をトレードしないと思います。クリス・ゲッツは、短期的な見返りを得ることよりも、村上を長期的にチームに残すことに関心があるはずです」
それは契約延長も視野に入れているということなのか。そう尋ねると、メルキン記者はこう続けた。
「そうですね。ただ、それが実現するかどうかはわかりません。彼には非常に優秀な代理人がいますし、村上側にも当然、考えがあります。球団が『この条件でどうだ』と提示したからといって、彼らが『わかりました。何でもサインします』となるわけではありません。選手側にも選手側の方針があります。それでも、球団としては村上を長期的にチームへ残したいと考えているはずです」
つづく
著者プロフィール
奥田秀樹 (おくだ・ひでき)
1963年、三重県生まれ。関西学院大卒業後、雑誌編集者を経て、フォトジャーナリストとして1990年渡米。NFL、NBA、MLBなどアメリカのスポーツ現場の取材を続け、MLBの取材歴は26年目。幅広い現地野球関係者との人脈を活かした取材網を誇り活動を続けている。全米野球記者協会のメンバーとして20年目、同ロサンゼルス支部での長年の働きを評価され、歴史あるボブ・ハンター賞を受賞している。
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