藤浪晋太郎は中継ぎ転向で覚醒したと言えるのか 山本昌が指摘した悪いクセとスプリットの比率 (3ページ目)
今後は優勝争いを繰り広げるオリオールズで重要な役割を担っていくはずです。今の彼には、100%の出力で短いイニングを投げることが合っていると思います。
ただし、将来的には先発をやりたいと本人は思っているかもしれません。そのためには、投球にバリエーションを持たせて長いイニングを投げることが求められ、スライダーを一定以上使う必要も出てくるでしょう。そのリスクは先述しましたが、リリーフで身につけた今の自分の形を踏まえたうえで、スライダーをいかに有効に投げていくことができるか。調整力を高めていけば、これだけ支配的なピッチングを見せている藤浪投手ですから、スライダーもうまく操って先発でも仕事を果たせるようになるのではと期待しています。
そのためにもまずは今季、リリーフとして藤浪投手本来のピッチングを続けてほしい。大きな可能性を秘めた投手ですから、どんどん活躍してほしいと願っています。
著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。
大阪桐蔭時代の藤浪晋太郎
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