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【F1】角田裕毅が表彰台のチャンスを逃した日 雨のコンディションで「水を得た魚」のように快走した

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

角田裕毅2021〜2025ベストレース10(後編)

◆角田裕毅ベストレース・前編>>「怖いもの知らず」の1年目はデビュー戦9位

◆角田裕毅ベストレース・中編>>「中団グループで最も生きのいいドライバー」

 2021年に日本人F1ドライバー史上最年少の20歳でアルファタウリからデビューした角田裕毅。小林可夢偉以来、7年ぶりの日本人F1ドライバーにメディアは大いに湧き立った。

 2000年代生まれの日本人ドライバーとして、新たな歴史を刻み続けた5シーズン。荒削りなドライビングを武器に攻めまくる若手時代を経て、緻密なレース戦略を完遂する成熟したプロフェッショナルへと変貌を遂げた。

 F1界を駆け抜けた2021年〜2025年をあらためて振り返り、記憶に強く残った角田のベストレースを10個ピックアップした。

角田裕毅はウェットコンディションでついに本領を発揮 photo by BOOZY角田裕毅はウェットコンディションでついに本領を発揮 photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る(8)2024年@第21戦サンパウロGP

 RBのマシン開発は、第10戦スペインGPから完全に歯車が狂ってしまった。シーズン後半戦はその失敗を挽回できないまま、角田裕毅は実に7戦もの間、ノーポイントのレースが続くことになる。

 中団トップを争うハースには差を開けられ、ダニエル・リカルドはシンガポールGPを最後にシート喪失。代わってチームメイトとなったリアム・ローソンとの間には、レッドブル昇格を巡って必要以上に軋轢を生む場面もあった。

 終盤戦になってようやくマシンの改善が進み、角田にも笑顔が見られるようになった。その状況で迎えたのが、雨のサンパウロGPだ。

 土曜の予選は豪雨のため順延となり、日曜の午前中に行なわれるという変則スケジュール。そこでも何人ものドライバーが雨に翻弄されるなか、角田は予選3位の好タイムを記録する。マシン差が小さくなり、ドライバーの腕が問われるコンディションになったことで、角田は水を得た魚のように快走を見せた。

「FP1からグリップが全然感じられなかったので、予選に向けてはかなりのセットアップやパーツを換えたんです。そのおかげで、マシンは大幅によくなったと感じました。こういう結果こそ(僕に)求められていたものだと思います。

 とてもトリッキーな予選でしたけど、楽しめました。ここは自信をビルドアップしていけるので、ついプッシュしすぎてしまうんです。Q1の走り始めから速さがありましたし、ターン4で危ない場面はありましたけど、運もあったと思います」

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著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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