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【夏の甲子園2025】SNS、甲子園も騒がせる開星・野々村直通監督が語った引き際「グラウンドで死ぬなんてダメ」

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

【SNSで騒然となった「玉砕」の表現】

 試合前から、73歳の"やくざ監督"はメディアへの警戒心をのぞかせていた。

「私が『玉砕』などと言うと、またマスコミから『軍国主義』と言われかねないから。語弊があれば、『当たって砕けろ』としてください。1試合でみんな立てなくなるくらい、すべて力を出しきってほしいです」

 対戦相手は仙台育英(宮城)。開星(島根)の野々村直通監督は対戦が決まった際、「仙台育英は大横綱。ウチはふんどし担ぎ」と語り、こう続けている。

開星の野々村監督 photo by 松橋隆樹開星の野々村監督 photo by 松橋隆樹この記事に関連する写真を見る

「勝負にはならないけど、すべて力を出しきって、玉砕してくれたらいいと思います」

 この「玉砕」発言は大いに話題になり、SNS上を騒然とさせた。そうした背景があり、8月14日に仙台育英との2回戦を迎えたのだった。

 どうしても、聞きたかった。選手たちには、「当たって砕けろ」の精神をどのように伝えたのかと。野々村監督は試合前々日のミーティングでの出来事を明かした。

「『群羊(ぐんよう)駆って猛虎を攻む』ということわざを書いて、子どもたちに説明しました。弱くても、集団になって立ち向かえば、恐ろしい虎もなんとかなるんじゃないかと。その精神しかないぞ、と話しました」

 そして、野々村監督は茶目っ気たっぷりに続けた。

「イコール、玉砕ですよ」

【「猛虎」に食らいついた「群羊」】

 とはいえ、野々村監督には懸念点があった。中心選手の持田聖純(3年)が甲子園の初戦で左手に死球を受け、負傷していたからだ。

「ウチのチームでは、能力が一番高い子。右手は使えるからピッチングは問題ないけど、左手が使えないからバットを振れないと思う。僕はラスト(9番)くらいの打順でいいと思ったんだけど、スタッフは3番のままがいいと言うので、相手が警戒してフォアボールでも出してくれたらと思って」

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