1年夏の甲子園で西川遥輝は骨折しながら強行出場 放った大ファウルに末恐ろしい才能を感じた (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

 それがドラフトでは、日本ハムが2位で指名。本人はもちろん、当時の日本ハムの関西担当スカウトまで驚いていたことを思い出す。

 この指名を聞いた瞬間、私も驚いたが、あることが頭をよぎった。それは日本ハムの編成トップが、あの常葉菊川戦の活躍を目の当たりにし、最後までその力と可能性を信じたのではないかということだ。あくまで私の勝手な想像だが、西川の野球人生を左右したのではないかと思えるほど、常葉菊川戦でのバッティングは衝撃だった。

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西川遥輝(にしかわ・はるき)/1992年4月16日、和歌山県生まれ。智辯和歌山では甲子園に4度出場。2010年のドラフトで日本ハムから2位で指名され入団。13年からレギュラーに定着し、14年に盗塁王のタイトルを獲得。17年は2度目の盗塁王、自身初のゴールデングラブ賞に輝いた。21年にはプロ野球史上30人目の300盗塁を達成。オフに日本ハムをノーテンダーFAとなり楽天へ移籍。23年は35試合の出場にとどまり、オフに戦力外通告を受けたが、ヤクルトが獲得を発表した

著者プロフィール

  • 谷上史朗

    谷上史朗 (たにがみ・しろう)

    1969年生まれ、大阪府出身。高校時代を長崎で過ごした元球児。イベント会社勤務を経て30歳でライターに。『野球太郎』『ホームラン』(以上、廣済堂出版)などに寄稿。著書に『マー君と7つの白球物語』(ぱる出版)、『一徹 智辯和歌山 高嶋仁甲子園最多勝監督の葛藤と決断』(インプレス)。共著に『異能の球人』(日刊スポーツ出版社)ほか多数。

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