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夏の甲子園で輝いた2年生投手12人 来年ドラフトの目玉となるか? (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

身長195センチの大型右腕、立命館宇治の十川奨己身長195センチの大型右腕、立命館宇治の十川奨己この記事に関連する写真を見る 今夏は初戦で神村学園(鹿児島)の強打線につかまり、7回途中、13安打6失点と苦い甲子園デビューになった。現時点での最速は139キロだが、あくまで通過点。フォークなど縦系の変化球を生かし、スケールの大きな投手へと期待がふくらむ。

 同じく甲子園では力を発揮できなかった清水大暉(前橋商/群馬)も将来有望な大器だ。身長190センチ、体重82キロの大型右腕で、今夏の群馬大会では最速148キロをマークしている。佐々木朗希(ロッテ)を彷彿とさせるシルエットと豪快な足の上げ方で、ボールの角度と圧力は出色だ。

 今夏の甲子園はクラーク記念国際(北北海道)との初戦でリリーフ登板したものの、守備の乱れもあって5失点。わずか2アウトしかとれずに降板した。今夏までリリーフだった役割も、新チームからエースとしての仕事が求められるはず。投手として総合力を身につけ、再び甲子園に戻ってくることができるか。

 左腕では河野伸一朗(宮崎学園/宮崎)も希望がふくらむロマン型だった。身長189センチ、体重68キロの長身痩躯で、現時点での最速は140キロ止まり。リリース位置が高く、左腕を縦にスムーズに振れるフォームが特長で、右打者の内角低めに角度よく決まるストレートは惚れ惚れする。

 甲子園では初戦で文星芸大付(栃木)に15安打を浴び、守備の乱れもあって7対9で逆転負け。それでも、顕在化されていない眠った能力を秘めながらもゲームメイクできる点は、高く評価されるべきだろう。

 甲子園で3勝を挙げ、ベスト8に進出したおかやま山陽(岡山)には、三宅一誠、三浦尊神という大型右腕コンビがいる。三宅は身長183センチ、体重85キロと厚みのある体つきで、捕手の一塁側へと食い込む球筋が大きな武器。今夏の甲子園は全4試合に登板し、先発に中継ぎにフル回転した。

 三浦は身長185センチ、体重77キロの投手らしい体格で、ボールの角度は一際目を惹く。今夏は三宅の好調ぶりもあって登板機会が限られたものの、今秋以降はプロスカウトの垂涎の的になっていくだろう。

著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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