夏の甲子園で最もホームランから遠ざかっている県は? あの劇的アーチが最後... (2ページ目)
2007年夏の甲子園決勝で逆転満塁本塁打を放った佐賀北の副島浩史この記事に関連する写真を見る
【あの劇的アーチが最後】
さて、最もブランクの長い都道府県はどこか。
正解は、佐賀県。しかも最後の本塁打は、甲子園の名場面としてあまりにも有名な一発である。
2007年夏の第89回大会、佐賀北と広陵との決勝。佐賀北は広陵に4点リードを許して迎えた8回裏、押し出し四球で1点を返し、なお満塁で主砲・副島浩史が起死回生の逆転ホームラン。佐賀北はミラクル初優勝を果たし、「がばい旋風」は流行語にもなった。
以後、佐賀県勢の甲子園での成績は決して芳しいものではないが、あのグランドスラム以来、佐賀県勢からは1本も本塁打が飛び出していない。
ちなみに、春のセンバツを含めてみても、最も本塁打から遠ざかっているのが佐賀県で、2004年の第76回大会で佐賀商の飯田尚樹が放ったものである。
今夏の大会、佐賀代表は初出場の鳥栖工が、松延兄弟バッテリーを中心に1勝を挙げる健闘を見せたが、本塁打は生まれなかった。劇的グランドスラムのあとに続く佐賀県勢の本塁打は、来年以降に持ち越しとなった。
著者プロフィール
戸田道男 (とだ・みちお)
1961年岩手県一関市生まれ。明治大学卒業後、東京スポーツ新聞社で4年間野球担当記者を務めたのち、ベースボール・マガジン社入社。週刊ベースボール、ベースボール・クリニックほか野球関係の雑誌、ムックの編集に携わる。2011年に同社を退職し、同年から2021年まで廣済堂出版発行の「ホームラン」編集を担当。現在はフリーランスの立場で野球関連の編集者&ライターとして活動中。
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