最速153キロ左腕、驚異のスピードスター、3年生の怪腕...大学選手権に出場する大注目の逸材たち (3ページ目)
野手では機敏な動きを売りにする選手が目立つ。遊撃手なら辻本倫太郎(仙台大)、松浦佑星(日本体育大)、外野手なら福島圭音(白鷗大)が挙がる。
辻本は小柄ながら1歩目のスピードと身のこなしのキレが際立ち、松浦は奔放かつ本能的な走攻守が目を引く。ただし、松浦はリーグ戦で負った故障が心配される。
福島は今春の関甲新学生リーグ9試合で驚異の20盗塁を記録したスピードスター。勝利への執念をむき出しにしたハングリーなプレースタイルは、チームに勢いをもたらす。リーグ戦打率.526とバットコントロールもいいだけに、鮮烈な印象を残すだろう。白鷗大は大会2日目に環太平洋大と大阪公立大の勝者と対戦する。
激戦区・関西学生リーグを制した近畿大には、智辯学園高時代から名を馳せた坂下翔馬がいる。簡単にはアウトにならない粘りは驚異的で、今春は出塁率.590をマーク。主力選手の多くが抜け、前評判の高くなかったチームをリーグ優勝に導いたリーダーシップも魅力だ。近畿大は大会初日に福井工業大と対戦する。
最後に紹介したいのは3年生の怪腕。環太平洋大の徳山一翔だ。昨秋の明治神宮大会で突如出現した左腕で、球速以上に速く見えるストレートは大学トップクラスだろう。今後どこまで進化するのか、追い続けたい存在だ。
ほかにも新たなニュースターが誕生する可能性は十分にある。大学最高峰の戦いから目が離せない。
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
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