「垂直ジャンプ」が話題 明治大・飯森太慈は指定校推薦からその快足でレギュラーを奪取→首位打者&盗塁王に輝いた
今春の東京六大学リーグ戦は、明治大が勝ち点5の完全優勝を果たした。その立役者のひとりが飯森太慈(3年/163センチ・62キロ/右投左打/外野手)だ。
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【ルーティンとなった垂直ジャンプ】
飯森は打席に入る前に、バット片手に両ヒザを曲げて2、3回"垂直ジャンプ"を繰り返す。小柄だけにものすごく高く飛び上がっているように見える。このジャンプは、まるで牛若丸が京の五条大橋で武蔵坊弁慶の振るう薙刀をヒラリと軽快にかわしながら、欄干を飛びまわり降参させたという逸話を彷彿とさせる。いまや飯森がジャンプするたび、スタンドから拍手が沸き起こるほど、有名なパフォーマンスとなっている。
打席に入る前、体をほぐしたり、気持ちを集中させたりするために独自のルーティンを持っている選手は多い。飯森もリラックスするのが目的で始めたそうだが、今ではジャンプするたびにスタンドから拍手が沸き起こるほどのパフォーマンスとなっている。
飯森の特徴はジャンプだけじゃない。チーム屈指の快足の持ち主でもある。
明治大はここ数年、丸山和郁(現・ヤクルト)、陶山勇軌(現・日本製鉄鹿島)、村松開人(現・中日)といった足の速い人材を次々と輩出してきたが、飯森も先輩たちの走塁を目の当たりにし、タイミングや技術を学び、その伝統を引き継いでいる。
「自分のうしろにドラフト候補である宗山塁(3年)と上田希由翔(4年)さんが続いているので、盗塁に手間取って、彼らのバッティングの邪魔をしてはいけないと思い、早いカウントから走るようにしています。当然、牽制球は多くなるので、神経を集中させています」
慶應大の小林宏が1981年秋のリーグ戦で打ち立てたシーズン最多盗塁記録の16個には及ばなかったが、射程圏内であることは間違いない。卒業まで残り3シーズンあり、記録更新のチャンスはある。
飯森について、明治大の田中武宏監督はこう語る。
「彼には走ってもいいよというサインは出しますが、何球目に走るかは任せています。昨秋は、彼が一塁走者で好スタートをきって絶対にセーフだろうと思っていたら、打者が打ってしまったケースが2回ありました。また勢いあまってスライディングに失敗して、オーバーランしてアウトになったこともありました。本来、スライディングはうまい選手なんですが......あれが成功していれば、盗塁数は変わってきたかもしれません」
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