最速153キロ左腕、驚異のスピードスター、3年生の怪腕...大学選手権に出場する大注目の逸材たち (2ページ目)
一方、現時点での状態のよさなら下村だろう。今春は発熱で登板回避した常廣の穴を埋めるなど、3勝0敗、防御率0.85と安定感が際立った。身長174センチと上背はないものの、快速球と高精度のスライダーを操りゲームメイク力が高い。
野手も多士済々で、俊足好打の中堅手・中島大輔には今年に入って力強さが増してきた。3年生スラッガーの佐々木泰のフルスイングは、ひと目見ただけで笑いがこみ上げるほど迫力満点だ。
青山学院大は大会2日目に国際武道大と広島経済大の勝者と対戦。明治大とは決勝戦まで対決しない組み合わせだ。
【無名の実力派が大集結】
優勝争いに割って入るだけの役者が揃うのは、大阪商業大だ。上田大河、高太一、野中太陽のドラフト候補三本柱が全国舞台で実力を発揮できるか。とくに上田は剛速球だけでなく、変化球のバリエーションが多彩で全国大会の経験も豊富だ。ただし、今春のリーグ戦では3投手ともインパクトのある結果は残せなかっただけに、大舞台で存在感を見せたい。
また、野手では広角に力強い打球を弾き返す3年生外野手の渡部聖弥が看板選手。渡部は広陵高の同期である明治大・宗山とともに、今後2年間は大学日本代表の核になっていくだろう。
その大阪商業大と大会初日に対戦する星槎道都大には、滝田一希というドラフト候補左腕がいる。
無名の寿都高では支部予選すら突破できなかったが、大学進学後に最速153キロをマークして一躍ドラフト候補に。独特なリズム感のモーションから放たれる快速球と空振りを奪えるチェンジアップが光る。
大阪商業大と星槎道都大が激突する初日の第4試合には、東京ドームのバックネット裏にプロスカウトが集結するだろう。
ほかにも左投手なら古謝樹(桐蔭横浜大)、右投手なら楠本宏武(九州産業大)、大山凌(東日本国際大)といった好投手もチェックしておきたい。
とくに古謝は力感ないフォームから生きた球質のストレートが投げられる隠れた実力派。今大会でブレークし、一躍ドラフト上位戦線に浮上しても不思議ではない。大会2日目に仙台大との好カードが組まれているだけに、見逃せない。
2 / 3