山本昌がドラフト候補11人の好投手を最終チェック。広島、オリックス、日本ハムが公言した1位指名の実力は? (11ページ目)
今年夏の都市対抗で4回を無安打、7奪三振の快投を見せたトヨタ自動車・吉野光樹この記事に関連する写真を見る吉野光樹(トヨタ自動車/176センチ・78キロ/右投右打)
上背はそれほどなくても、軸がしっかりしていて体重移動も素直。始動は少し変則的でも、最終的にボールをしっかりと叩けるのでタテの変化球が鋭く曲がります。さすが名門・トヨタ自動車で揉まれた投手だなと感じます。トヨタの投手といえば、金子千尋くん(日本ハム)、吉見一起くん(元中日)、祖父江大輔くん(中日)、栗林良吏くん(広島)と、みんなプロで活躍しているイメージがあります。吉野くんのフォームですばらしいと感じるのは、左腰の使い方です。左腰が少し下がり、左腰とリリースの位置が遠くなるので、カーブをしっかりと抜いて投げられる。腕も強く振れているので、打者からするとタイミングがとりにくいはず。ボールがよく走るストレートとの緩急差がつけられて、プロでも先発投手として活躍できるイメージが湧きます。
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今年は「不作ドラフト」と言われているそうですが、こうして分析していくと今年もハイレベルな投手が揃っていると感じます。前回に分析した甲子園出場投手も将来性が高い投手ばかりでした。
とくに目を引いたのは、荘司康誠くん(立教大)と金村尚真くん(富士大)のふたりで、大きな可能性を感じました。私自身が先発投手をしていた分、どうしても先発タイプに目が向いてしまうのですが、今の野球界はリリーフの重要性も上がっています。リリーフのほうが早い時期から一軍で投げられるチャンスがあるという考え方もありますし、どの投手もプロの厳しい世界でその実力をいかんなく発揮してほしいと願います。
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