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昭和、平成、令和...親子三代で甲子園出場を果たした「智辯和歌山・高嶋家物語」 (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

 ちなみに、この時、阪神タイガースジュニアのコーチをしていたのが、現在の智辯和歌山の監督である中谷仁だった。そんな縁も生まれるなか、奨哉は中学生になると粉河シニアの主軸として活躍。2019年春に念願だった智辯和歌山への入学を果たした。

 仁は2018年夏を最後に智辯和歌山の監督を退いていたため、もっぱらスタンドからの観戦となったが、そんななかでうれしい今回の甲子園出場だったというわけだ。

 昭和、平成、令和と時代を重ねながら、親子三代での甲子園出場。ただ、仁、奨哉とも選手として甲子園で勝利を挙げていない。

 今夏の甲子園が開幕してすぐの頃、監督として歴代最多となる甲子園通算68勝を誇る仁に"高嶋家未勝利"の話題を向けると、「そう言われたらそうやな」と初めて気づいたような反応を見せた。すると、孫に無用なプレッシャーをかけたくないとばかりに、やや控えめにこう言った。

「まあ、2つ3つ勝ってくれたらええと思うけど......打つほうではええ場面でのヒット、守りのほうではチームに迷惑をかけんように。とにかく思いきりやってくれたらええ」

 ところが、高嶋家の甲子園初勝利をかけて戦うはずだった宮崎商業がコロナ感染により出場辞退。智辯和歌山の不戦勝となり、思わぬ形で高嶋家に甲子園初勝利が転がり込んできたが、やはり試合に勝ってこそ。

 智辯和歌山は24日の第2試合で高松商(香川)と戦う。奨哉は試合後に校歌を歌うことはできるのか。その戦いに注目したい。

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