異色経歴の監督と有名TikTokerを擁する高知中央女子野球部。驚きの練習量で甲子園での決勝の舞台に立つ

  • 寺下友徳●取材・文 text by Terashita Tomonori
  • Photo by Terashita Tomonori

高知中央女子野球部1期生の3年メンバーたち高知中央女子野球部1期生の3年メンバーたち 初めて阪神甲子園球場で開催される「第25回全国高等学校野球女子硬式野球選手権大会」の決勝戦。「第103回全国高等学校野球選手権大会」の雨による順延で日程変更が続いたが、ようやく8月23日(月)17時から行なわれることが定まった。

 そんな歴史的一戦のカードは神戸弘陵(兵庫)対高知中央(高知)。神戸弘陵の男子野球部は春4回・夏1回の甲子園出場を果たしているが、1994年にセンバツベスト8へ導いた石原康司監督が女子野球部を率いる。春2度(2018、2019年)、夏1度(2016年)の女子高校野球全国制覇、クラブチームも含めた2年生以下のチームが集うユース大会3連覇(2016〜2018年)。女子野球部も全国屈指の強豪校として知られる。

 対する高知中央は「初物」づくしだ。男子野球部は2019年の秋の四国大会ベスト4、今夏の高知大会ベスト4など四国内では強豪に数えられるが、甲子園にはあと一歩届かない状況。今回、創部3年目の女子野球部が全国大会初勝利から一気に決勝進出を果たしたことで、「男女通じての初甲子園」が実現したという格好だ。

 では、なぜ高知中央の女子野球部は大躍進を遂げられたのか? その謎を解くべく、8月上旬、強い日差しが照りつける南国・土佐の地を訪れた。

【豊富な練習量と指揮官の狙い】

「この練習量とスタミナ、男子より上かも!」。2日間、高知中央女子野球部を取材した筆者の率直な第一印象である。

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