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2021ドラフトの主役となるか。
近畿で輝いている4人の大物投手たち (3ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Sankei Visual

 ところが、この秋の近畿大会は天理(奈良)や智弁学園の強力打線と対戦したが、唸るようなストレートは見られなかった。しかも主軸にきっちり捉えられるなど課題を残した。

 今後は「ムーバー」としてより持ち味を生かしていくのか、それともストレートのアベレージが140キロ台半ばで安定し、剛腕の印象を強くしていくのか。ひと冬越えてからの成長が楽しみでならない。

最速154キロを誇る大阪桐蔭の関戸康介最速154キロを誇る大阪桐蔭の関戸康介 松浦のチームメイトで最速154キロを誇る関戸康介は、この秋、これといった見せ場なく終わった。大阪大会は登板せず、周辺からはさまざまな憶測が飛び交ったが、投手指導を中心に行なう石田寿也コーチに確認すると、こんな答えが返ってきた。

「8月末の練習試合では、アベレージで140キロ台後半のストレートがきていて、僕たちも大会での投球を楽しみにしていたんです。しかし、それから少しして股関節に張りが出て、1週間のノースロー。そこから徐々に戻しながら、大阪大会は投げませんでしたが、近畿大会では先発を考えたこともありました。結局、リリーフで2試合ということになりましたが、大会前の練習試合では7イニングをしっかり投げましたし、状態は戻っていました」

 ただ、ネット裏から見た印象では総じてボールがシュート回転気味で、智弁学園戦では前川右京に低めのストレートを完璧にライトスタンドへ運ばれた。好調時のストレートは制御するのに苦労するほどの勢いがあり、ベース付近でも強い球がいく。ストレートの速さは間違いなく世代トップクラスだ。

 小学生の頃から評判の投手で、鳴り物入りで大阪桐蔭へ入学したが、大きな実績は残せていない。おそらく本人も「このままでは終われない」という思いがあるはずだ。それがエネルギーとなり、一気に突き抜けてくる可能性は十分ある。

 193センチの超大型右腕、天理の達孝太も大きな可能性を秘めた右腕だ。昨年秋の近畿大会決勝で1年生ながら大阪桐蔭を相手に8回途中2失点の好投を見せて勝利に貢献した。

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