健大高崎2年生が22人206本塁打の衝撃。機動破壊から長打破壊へ

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

小澤周平(内野手)33本
綱川真之佑(捕手)21本
森川倫太郎(外野手)19本 
高村尚杜(外野手)16本
横尾友都(外野手)14本
野中駿哉(投手・外野手)14本
石崎伶(外野手)13本
堀江晃生(外野手)12本
伊藤翔哉(内野手)11本
西本健人(外野手)9本
長谷川朋哉(外野手)6本
風間力輝(外野手)6本
園山尋斗(外野手)5本
櫻井歩夢(内野手)4本
土谷歩夢(外野手)4本
海老原崚(内野手)4本
田邊悠人(内野手)4本
松本京大(外野手)4本
木戸爽多(内野手)3本
吉里竜門(内野手)2本
上野元希(内野手・外野手)1本
高橋知輝(投手・外野手)1本

計206本(2020年11月3日現在)

 これは健大高崎(群馬)の2年生が放った高校通算本塁打の合計である。2年生部員33人中、試合でサク越え本塁打を放っている部員はすでに22人。2ケタ本塁打をマークしていても、秋のベンチ入りメンバーから漏れた選手もいる。高校野球の打撃レベルがいくら向上しているとはいえ、驚異的な長打力である。

チーム最多の本塁打を放っている健大高崎の小澤周平チーム最多の本塁打を放っている健大高崎の小澤周平 強打線を武器に今秋の関東大会では連覇を達成し、来春のセンバツ出場は確実な状況だ。下慎之介(ヤクルト育成1位)ら強力投手陣を擁して、スクイズを多用して勝ち上がった昨秋とは明らかにチームカラーが異なる。青柳博文監督は割り切ったようにこう語る。

「このチームは打てなかったら負けてもしょうがないと思っています」

 下級生時から中軸で活躍していた来年のドラフト候補・小澤周平がいるとはいえ、この学年は入学時の前評判が高いわけではなかった。そんな選手たちが「上位から下位まで切れ目なく、迷いなく振り切れる打線」(青柳監督)をつくれた理由はどこにあるのか。

 その背景には2年生と時を同じくして健大高崎に赴任した赤堀佳敬コーチの存在があった。赤堀コーチは強打の盛岡大付で打撃理論を学んだキャリアがある。現場の指導を取り仕切る生方啓介部長に今や打撃指導を一任されている赤堀コーチは、1年以上前から「1年生(現2年生)は必ず打てるようになるので見ていてください」と力強く語っていた。

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