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【高校野球】『ビッグ3』対決は藤浪に軍配。
大谷の動揺を誘った1本のヒット (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 一方、大阪桐蔭のエース・藤浪晋太郎も立ち上がりは力んでいた。初回、先頭打者への初球はワンバウンドの147キロのストレート。そして17球中13球がストレートで7球がボールだった。2回には大谷にスライダーを完璧に打たれ、逆風にもかかわらずライトスタンドへ運ばれるなど、4回まで5安打2四球と毎回走者を出す苦しい投球だった。だが、ここから立ち直り、5~7回の3イニングを三者凡退。特にリードを奪ってからは、「相手を見下ろして投げることができた」と語った藤浪。序盤はバントの構えをされるたびにマウンドから降りてきたが、後半は動かない場面も増えるなど、相手の揺さぶりにも動じなかった。

「ホームランを打たれたところから修正できた。攻めの気持ちで切り替えました」

 昨夏の大阪府大会決勝では5点リードしながら7回途中4失点で降板するなど、藤浪には中盤以降のピッチングに不安があった。しかし、この試合は中盤以降に逆転し、リードを広げてくれたことで、最後まで自分のピッチングをすることができた。

 藤浪と大谷という「高校ビッグ3」同士の投げ合いとなった注目の一戦は、ともに2ケタの三振を奪うなど持ち味を発揮したが、1本のヒットがガラリと試合を流れを変えた。6回に許したポテンヒットは、大谷、そして花巻東にとってホームラン以上に痛恨の一打だったに違いない。

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