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【新車のツボ151】日産GT-Rニスモ。
武闘オーラも優しい乗り味 (4ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 ニスモはエンジンも専用チューンでノーマル30ps増しの600psだが、今のスーパーカーリーグでは特筆するほどの性能ではない。ただ、この伝統のエンジンでさらに30psをギリギリ絞り出した味わいは、たまらないものがある。7000rpmのトップエンド付近で"泣き"が入るサウンドは鳥肌モノ。乗る側もきちんと気合を入れないと、そのあまりの荘厳さに逆にアクセルが緩んでしまうほどだ。

 GT-RといえばスーパーGTにおける日産の顔でもある。2018年シーズンのGT-RはNSXやレクサスLCの後塵を拝してしまい、ここでも日産にとっては良い年とはいえなかった。もっとも、スーパーGTマシンと市販車に技術的なつながりはほとんどない。少なくとも市販モデルの状態でギリギリまで鍛え上げたレーシングなツボに満たされているのはGT-Rニスモであり、これに較べると、NSXやLCは快適に洗練されすぎていて「ただの乗用車かよ?」と思ってしまうのは本当だ。

 最後に。いかなる価値基準でもGT-Rが優秀といわざるをえないツボがひとつある。それは価格だ。GT-Rニスモの価格は1870万円強。絶対的には"安い"なんて口が裂けてもいえないが、この速さでアンダー2000万円とはスーパーカーとしては爆発的に安い!

【スペック】
日産GT-Rニスモ
全長×全幅×全高:4690×1895×1370mm
ホイールベース:2780mm
車両重量:1740kg
エンジン:V型6気筒DOHCツインターボ・3799cc
最高出力:600ps/6800rpm
最大トルク:652Nm/3600-5600rpm
変速機:6DCT
乗車定員:4名
車両本体価格:1870万200円

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