【新車のツボ151】日産GT-Rニスモ。
武闘オーラも優しい乗り味 (2ページ目)
というわけでGT-Rである。GT-Rはかつて"スカイラインGT-R"という量産車ベースの日本専用ガラパゴス超高性能車だったが、それを今のような世界に知られる国際派スーパーカーに脱皮させたのは、間違いなくゴーンさんの功績である。まあ「昔のほうがよかった」という声はいつの時代にもあるものだが、スカイラインベースや日本専用にこだわっていたら、GT-Rそのものがなくなっていた可能性がきわめて高い。
そんなゴーンさんの肝いりで当時の名物エンジニアに開発を一任して生まれた現行型GT-Rも、すでに発売から10年以上が経つ。
GT-Rは世界のスーパーカーリーグではまだまだ新参者であり、ポルシェやフェラーリのように頻繁にモデルチェンジできるほど売れないという事情もあろう。これらの老舗に加えて、ランボルギーニにアストンマーティン、マクラーレン、そしてホンダ新型NSXなどの中堅もしくは新興勢力系ライバルと比較しても、デザインやパッケージレイアウト、骨格設計、パワートレイン、安全性能......と、さすがのGT-Rも各部のツボで古さを感じさせるようになったのは事実である。
ただ、その10年以上もの間、きちんと改良・開発を続けていた成果はダテではない。とくに、けっして新しくない設計でありながらも、速さでライバルに対抗する役目を担う"ニスモ"には、もう独特の武闘派オーラがただよいまくりである。
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