【F1】角田裕毅がイタリアGP予選で見せたチームプレー 自らを犠牲にしてフェルスタッペンのPP獲得をアシスト
F1第16戦イタリアGPレビュー(後編)
イタリアGPの予選が終わった瞬間、レッドブルのガレージは歓喜に沸いていた。
マックス・フェルスタッペンが0.077秒差でポールポジション(PP)をつかみ取り、昨年7位・8位という苦汁をなめたモンツァでの大逆転勝利にグッと近づいたからだ。
モンツァ入りしたレッドブルは、わずかでも改良を加えたフロアをフェルスタッペン用に完成させ、今季4基目となる新品パワーユニット(PU)の投入も決めた。事前の予想では苦戦を予想していたが、直前のシミュレーションで勝てるかもしれないという感触が出てきた。だからこそ予定を急遽変更し、新品PUの投入を水曜日になって決めたほどだった。
角田裕毅とフェルスタッペンの差とは...... photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る ホンダの折原伸太郎トラックサイドゼネラルマネージャーはこう語る。
「新品PUをバクー(第17戦アゼルバイジャンGP)とモンツァ(第16戦イタリアGP)のどちらに投入するかは、ずっとチーム間で会話していました。その結果、モンツァには入れない予定だったんですが、最後の最後で入れることを決めて投入したんです。ある程度戦える見通しが立ったんだと思いますが、こういう結果になったのはさすがの分析力だなと思いました」
ホンダのPUの走行距離による性能劣化は、マイレージ寿命の6戦を走りきっても数馬力と言われるほど微小であり、新品と数戦走ったPUとでそれほど大きな差があるわけではない。せいぜい1〜2馬力程度だろうと推察される。
それでも、そんな小さなゲインの積み重ねとPUやフロアやドライビングで、0.077秒のタイム差を生み出したというわけだ。
「ほかの3台も基本的には最もフレッシュなPUを持ってきていますので、(新品PUと)そんなに大きな差はありません。ただ、そういう細かいところの積み重ねで、あの結果まできました。もちろんそれはPUだけでなく、車体側でもいろいろとやっていることも含めての積み上げです」
フェルスタッペンは予選に向けてリアウイングのフラップを削り、ダウンフォースを捨ててでも、空気抵抗を少しでも落として走った。それも、ほんの小さな積み重ねのひとつだ。そういう重箱の隅を突くような戦いをした結果が、イタリアGPのポールトゥウインだと言える。
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著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。















