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【F1】角田裕毅がイタリアGP予選で見せたチームプレー 自らを犠牲にしてフェルスタッペンのPP獲得をアシスト (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【フェルスタッペンとの無数の差】

 Q3で角田裕毅が先頭でコースインしたことも、その小さな積み重ねのひとつだ。

「これはFP2やFP3でわかっていたことですけど、ここではトウの効果がものすごく大きく影響するので、先頭でのコースインが最悪なのは伝統的に明らか。僕としては先頭で出たくないと言っていたんですけど、マックスのために......まぁ、マックスが優先ですから」

 予選アタックを10位で終えた瞬間、角田は先頭走者となってトウが得られなかったことに不満を露わにした。だが、角田が残り3分半でコースインしたことで他車がガレージアウトし、フェルスタッペンはトラフィックに捕まることなくタイヤの準備が整ったため、最適なギャップで理想的なアタックラップを決めることができたのだ。

 これは僅差のなかで角田がQ3に進出していたからこそ、できたチームプレーでもあった。

「アタックラップ自体はすごくよかったと思います。トウがあれば0.3秒とか0.4秒は簡単に稼げたと思いますし、それで何位になれたかはわからないものの、この順位よりマシだったことは間違いないでしょう。しょうがないですね。全体的なパフォーマンスには満足していますし、Q3に進出できたのが最も重要なことだと思います」

 差はそれほど大きくないとはいえ、フロアの違いもある。マシンへの習熟度と自信にも差があるから、フェルスタッペンのように予選に向けて大胆なセットアップ変更を選ぶのも難しい。

「レースでコース自体のグリップレベルが上がったので、それがわかっていたら(土曜の時点でダウンフォースを)削っていたかもしれません。決勝のデグラデーション(性能劣化)を見ると、結果的にはローダウンフォースにしたほうがよかったと思いますけど、でも特に金曜日のデグラデーションを考えると、その選択は難しかったんです」

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