【F1】角田裕毅はフェルスタッペンの決断に「多くを学べた」 攻めのセットアップ変更が0.5秒もの差を生んだ
F1第15戦オランダGPレビュー(前編)
「もちろん、もっといい結果を期待していましたし、マシンに対してはかなり自信を持って走ることができていましたし、今まででもっともうまくマシンをコントロールできていたと思います。それだけに、走っていた感触とラップタイムがまったく一致しなかったのは不思議ですし、腑に落ちていない部分があります」
オランダGPの予選を12位で終えた角田裕毅(レッドブル)は、当惑の表情を見せた。
角田裕毅は予選結果に「すごく不思議」と困惑したが... photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る F1ドライバーという人種は、19人のライバルたちとコース上で戦うと同時に、自分自身とも戦っている。
いや、どんなアスリートでもアーティストでもそれは同じだが、モータースポーツはマシンという道具によって結果が大きく左右される世界だけに、F1ドライバーの思考はやや特殊だ。
20人のなかでの1位から20位という「相対軸」ではなく、自分の置かれた環境のなかで可能な100点に対して、自分がどれだけやれたのかという「絶対軸」で自身を評価する。下位チームのドライバーがマクラーレン勢と比べて「優勝できなかった」と落胆していても意味がないからだ。
そんななかで唯一、「相対軸」で比較できるのはチームメイトとの勝負である。角田にとっては、当代一のドライバーであるマックス・フェルスタッペンがその相手という、誰よりも厳しい環境に置かれている。
レッドブルとマクラーレンのマシン性能差、レッドブルとレーシングブルズのマシン性能差は、誰にも正確なところはわからない。だが、同じマシンに乗るチームメイトとのタイム差は、それ自体が明確な実力差として突きつけられることになる。
予選Q2でフェルスタッペンと0.500秒もの差がついたことに対し、角田は当惑した。
新型フロアが投入されたベルギーGPでは0.381秒差(0.378%)、ようやく同じ仕様のマシンが与えられたハンガリーGPでは0.163秒差(0.215%)まで、その差を縮めていた。
それだけに、同じ仕様のマシンで走ることができる今回も、さらにフェルスタッペンとの差を縮めることが角田にとっての「絶対軸」であり、その結果として何位につけられるかというのは「相対軸」でしかなかった。
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著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。















