田中正直氏に聞く。「冬のマラソン、好タイムで走るには」 (5ページ目)

  • 石塚 隆●文 text by Ishizuka Takashi  村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 冬のランニングのコツについて田中氏に語ってもらったが、印象的だった言葉は「いつも自己ベストが出るとは限らない」ということだ。プロや実業団の選手でさえ、そうそう自己ベストが出るわけではない。駅伝やオリンピック選考レースなどを見ても、エキスパートがコンディショニングやメンタル面という細やかな調整で失敗をするケースは少なくない。

「走りながら、天候や体調を考慮して、目標タイムを変えていくなど、柔軟に対応してください。指導する2つのチームにもそれを徹底しているので、うちのチームで極端にタイムを落とす人は少ないです。走っているときも『考える』ことが大切なんです。それは市民ランナーでも変わりません」

 自己管理が何よりも大切で、そしてシンプルがゆえに奥深いスポーツ。この冬もランナーの皆さんは、自分の肉体と心の声に耳を傾け走ることを楽しんで欲しい。


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