2016.01.21

田中正直氏に聞く。「冬のマラソン、好タイムで走るには」

  • 石塚 隆●文 text by Ishizuka Takashi  村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

spo_pr.png 本格的な冬のランニングシーズンがやってきた。多くのランナーがフルマラソンをはじめ、自分に適した距離のレースに参加を予定していると思うが、ここで肝心になるのが冬の調整方法だ。夏は高温多湿で気象条件が厳しく、熱中症や脱水症状の怖さを認識している人も多いが、冬は防寒対策だけしていれば、夏よりも走りやすいと思いがちで、考えることなく練習やレースに臨むランナーが少なくない。

たなか・ただなお●高校生の時には全国高校駅伝出場。大学、実業団でも中長距離選手として活躍。現在は実業団サンベルクス陸上部ヘッドコーチとエアラン東京RC代表を兼務。ジュニアからトップ選手まで指導にあたっている 防寒のためには保温性に優れたインナーを身に着けるべき? ウォームアップ、クールダウンのために時間をしっかりかけるべき? 冬場の調整として常識に思えることが、「実は……」ということも多いようだ。そこで100人を超えるメンバーを擁する市民ランナーズクラブ『エアラン東京』のコーチであり、1月1日のニューイヤー駅伝に出場する『サンベルクス』のヘッドコーチでもある田中正直氏に、レース直前4週間のコンディショニング法について尋ねてみた。

 
「考える」ことが一番大事

 田中氏は、いろいろな練習方法や調整方法があるという前提で、まず肝心なのは「考えて、自ら工夫することが大事」だという。

「マラソンというのは一言でいうと”準備のスポーツ”です。 トップランナーでもレース後半で急に失速してしまうなど、ベストパフォーマンスを狙って出すのが難しいので、まずは気張らないこと。市民ランナーの方は毎回、自己ベストが出るものと思っていらっしゃる(笑)。重要なのは『メンタル』『トレーニング』『カラダ』、この3つの調整を普段から深く考えて、工夫すること。レース当日の天候や気温、自分の体調がどんな状況であっても臨機応変に対処できる準備をしておくことが重要です。仕事が忙しかったから、風邪をひいてしまったからと思うような練習ができず、直前になって焦り、走り込む人がいますが、レース2週間前のトレーニングは疲労が残るだけでパフォーマンスの向上には結びつきません。スタート地点に立った時に『体調がいいな、体が軽いな』と思えるよう、残り2週間は走る量を減らして、疲労回復に努めることを優先してください」