田中正直氏に聞く。「冬のマラソン、好タイムで走るには」 (2ページ目)
コンディショニングは1ヶ月前から入念に。勝負はレース前からスタートしている
まずは「トレーニング」について。残り2週間は通常の練習で走る距離の80%、残り1週間は50%が目安になります。
「まず4週間前は、自分がレースで走る距離と近い距離を走って、体に刺激を与えます。肉体的に高い負荷をかけ距離に慣れさせます。その後、3週間前は20~30キロ走で体調を見る。そして、2週間前はハーフマラソン程度の距離を自分の最高のペースで走ります。これは心肺機能に強い刺激を入れることを目的としています。残り2週間になったら、10キロのビルドアップ走などを中心に練習の量を減らしていき、レース当日、いかに100%の力を発揮できるかを考えて過ごすよう指導しています」
このラスト2週間の過ごし方がレースに挑む最終難関になる。
「練習量が減っていく中、体調や筋肉を良い状態にしたいと思い、カーボローディングに代表されるような栄養価の高いものを食べるのはいいのですが、逆に太ってしまうケースもあります。体調管理には十分に注意しながら、さらにこれまでの練習の筋肉疲労を回復させるためにアミノ酸を積極的に摂るのがオススメです。アミノ酸の中でもBCAA(分岐鎖アミノ酸)という体内でつくることができないアミノ酸(必須アミノ酸といいます)があります。中でもロイシンは筋肉の疲労回復やコンディショニングに大いに役立ちます。トレーニングをハードに行なえば行なうほど、カラダからアミノ酸がどんどん抜け落ちてより不足しやすくなります。そのようなアミノ酸を食事だけで効率よく十分に摂るのは難しくなってしまうので、ロイシン高配合の必須アミノ酸入りサプリメントを活用しています。普段から練習直後に、できれば使用してほしいですが、効果の高いサプリメントは価格的にあまり安くありませんので、せめてレースまで残り2週間は、当日のパフォーマンスアップのためにも『練習直後』だけでなく、朝昼晩どの食事でもよいので『食事の時』と、睡眠中に筋肉を増量する成長ホルモンの分泌が盛んになるので、ロイシン高配合必須アミノ酸を摂取するのに効果的だといわれている『就寝前』の、1日2~3回摂取したほうがよいと伝えています。僕は15年ほどアミノ酸をコンディショニングのために取り入れていますが、きつい練習やレース後に疲れが抜けていくのを実感しています」
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