鈴木聡美が競技を続けるなかで影響を受け続けている意外な人物「西川貴教さんに学ぶことは多い」
鈴木聡美インタビュー(3)
パリ五輪に日本競泳史上最年長の33歳で出場し、平泳ぎ200メートルで4位入賞を果たした鈴木聡美(ミキハウス)。大会後の現役続行を決めたものの、先を見ているわけではなく「1年1年が勝負」。まずは今年夏にシンガポールで行なわれる世界選手権(7月27日~8月3日)出場が目標と話す。
水泳は、練習や環境の厳しさもあって、30歳を過ぎて現役を続ける選手はひと握り。鈴木は、日々厳しい練習をこなしながらも、なぜ高いモチベーションを保ち続けることができるのか。
今夏の世界選手権出場が目標と話す鈴木聡美 photo by Kishimoto Tsutomuこの記事に関連する写真を見る――昨年後半も、9月中旬の国民スポーツ大会(佐賀市)を皮切りに、10月は日本短水路選手権(東京)、11月は日本社会人選手権(福島県郡山市)と、レースを積み重ねてきました。パリ五輪のあとも、ほとんど休暇は取らなかったそうですね。
「休んだのは移動を含めて4日くらいです。パリ五輪の約1カ月後には国スポ(国民スポーツ大会)に出ることが決まっていたので、そこで恥ずかしくない泳ぎをしたいと思い、帰国後は早めに学生と合流し、練習してきました。レースに出る以上、私は『しっかり泳ぎたい』気持ちが強かったですから。
ただ、さすがに五輪が終わったばかりで、監督からはハードにやりすぎると気持ちも体も続かないと指摘され、そのへんは調整しながら。まあ、国スポ(の平泳ぎ100メートル)でいきなり1分6秒64(優勝)で泳いでいましたけどね(笑)」
――現役続行は、2028年のロス五輪を見据えてというより、まずはシンガポールでの世界選手権がターゲットになると。
「ですね。あまり長いスパンで捉えてしまうと、(世界選手権へ)行けなくても、また次があると、悪い余裕が出てしまいそうですし、やるからには世界基準のなかで、どれだけやれるかが重要になってきますから。まずは1年1年を大切に過ごしたうえで、続ける先にロス五輪があると思っています」
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