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鈴木聡美が競技を続けるなかで影響を受け続けている意外な人物「西川貴教さんに学ぶことは多い」 (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao

【「今日は何のゲームをしようかな」】

――パリ五輪に日本競泳史上最年長で出場したことで、その後は報道のたびに年齢のことが話題になります。ご自身で意識することはありますか。

「どうしても何かをすると年齢のことがついて回ってしまうのですが、プールに入れば学生も社会人も、若手もベテランも関係ないですし、私は基本を貫いているだけなんですけどね。気持ちのなかでは、もっと若くていい選手もいるので、メディアの方々にはそちらに目を向けてほしいとの思いもあります。

 それと、これはお願いですが、レース中に実況の方が年齢を連呼するのだけはやめてほしいというか......。あまり言われるようなら、SNSで『連呼はやめてください』と注意書きを書いたほうがいいかなと思ったり。最近は、『ここまでやってきたのだから、それくらいのわがままは言わせてもらってもいいかな』と思ったりしています(笑)」

――鈴木さんは競技を続けている一方で、SNSではゲームや漫画、アニメなど、競技とは関係のない情報を多く発信しています。そうした頭の切り替えが競技を長く続けることにつながっているようにも思います。

「私自身は、キツい練習を忘れたいと思っているだけなんです。ただ私の場合は、自宅をリラックス空間と捉えていて、練習が終わり、家に帰った瞬間に『今日は何のゲームをしようかな』『どの動画を見ようかな』ということばかり考えていて、プールを出た瞬間に競技のことは忘れているので、そういう性格が競技を長く続けるにはよかったかもしれません。

 私も若い頃は、自宅の壁に目標を張ったりしていました。『これを食べたら、どれだけ太る』。そんなことを考えて、厳しい食事制限をしていたこともあります。でも、そんなことばかり考えていたら、メンタル的によくない気もしますし、あまり考えずに適度に好きなものを楽しむようにしています」

 鈴木が昔から西川貴教(T.M.Revolution)のファンであることは広く知られている。レース前はいつも、その時々でお気に入りの音楽を聴きながらテンションを上げて臨むのがルーティーンで、パリ五輪後も西川がプロデュースしているフェス(イナズマロックフェス)に参加した様子をSNS等で報告していた。鈴木はそんな西川をただ"推している"わけではないという。

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