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鈴木聡美が競技を続けるなかで影響を受け続けている意外な人物「西川貴教さんに学ぶことは多い」 (3ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao

【「一番に名前が挙がるのは西川貴教さんです」】

――長くアスリートとして競技を続けるなか、目標としてきた人や影響を受けた人はいるのですか。

「そういう意味で、私にとって一番に名前が挙がるのは西川貴教さんです。

西川さんはアーティストとして歌うことを専門にしていますが、そのほかにもテレビのバラエティ番組に出演されたり、ボディービルの大会に参加されるなど、さまざまな活動をしています。あるときは番組の企画で、サバイバル生活をして雑草を食べるなど周りから見ればやらなくてもいいと思うようなことにもチャレンジされていましたし(笑)。

 それでもアーティストとしてはいつも全力で、24年のイナズマロックフェスでも、ひっきりなしにステージに立つなど大活躍。西川さんはすでに50代ですが、自分に対して厳しく、ストイックに体を鍛えたりしています。そんな姿を見ていると、もっと若いアスリートの私には、まだやれることがあるんじゃないかと姿を見るたびに感じさせられています」

――鈴木さんが西川さんを"推している"のは知っていましたが、スイマーとしても影響を受けている、と。

「西川さんにとっての歌うことを、私に当てはめると泳ぐことで、そういう視点で見ると学ぶことは多いんです。よく私の練習メニューを後輩に教えると、だいたい『えっ、そんなにやっているんですか?』と驚かれますが、私がなぜこなせているかというと、西川さんの背中、生き方を見て、まだ自分に足りないことがあると思っているからなんです。人としても尊敬していますし、アスリートとしても私が勝手に影響を受けているのは間違いないです」

――スイマーとして影響を受けた選手はいますか。

「スイマーの手本にしているという意味では、16年のリオ五輪(女子平泳ぎ200メートル)で金メダルを獲った金藤理絵さんですかね。リオ五輪前の合宿で金藤さんが誰よりも早くプールに来て、誰よりも遅くまでプールで泳いでいた姿は強く印象に残っています。その努力の末に、金メダルがあったと思いますし、私もリオの決勝をスタンドで見ていて、とても胸を打たれました。金藤さんの200メートルの日本記録(2分19秒65)は、いまだに破られていないですしね」

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