【大学駅伝】関東インカレで見えた有力校の現在地(後編) 王者・青学大の課題、駒大・藤田監督は4年生の奮起に期待 (3ページ目)
【箱根シード落ちの東洋大は不安を残す】
前回の箱根で20年続いたシード権を失った東洋大は、今回の関東インカレ長距離種目で入賞者がゼロという苦しい結果に終わった。
1部ハーフマラソンは木村隆晴(2年)が13位、馬場大翔(4年)が15位、小野真和(2年)が20位。1部1500mは藤本祐輔(3年)、馬場アンジェロ光(3年)、生天目温(2年)が出場したが、決勝に進めなかった。1部5000mはエースの松井海斗(3年)と自己ベスト13分51秒を持つ林柚杏(1年)がDNS(欠場)となり、飯田ケビン(2年)は28位。1部10000mは主力のひとりである迎暖人(3年)が13位、濱中尊(4年)が15位、松井はやはりDNS。
箱根惨敗を受けてのリスタートとなった今季、全日本大学駅伝の関東地区選考会は危なげない走りで突破した。だが、関東インカレを終えた現在も、「東洋は大丈夫か」という不安は残る。秋までにどこまで戦力を整えていけるのだろうか。
一方、「今年はちょっと違う」と、他校が強さを感じているのは東海大だ。
1部10000mでは中野純平(3年)が日本人トップの3位、南坂柚汰(4年)も4位に入賞した。中野は1部ハーフでも3位に入賞、全日本大学駅伝の関東地区選考会でも3組トップを獲り、チームの2位通過に貢献。そして、今回はトラックで爆発的なラストスパートを見せた。
その中野は10000mのレース後、笑顔で振り返った。
「そんなに調子がよくなかったんですけど、南坂さんから『大丈夫だから』と言ってもらったり、周囲からモチベーションを高めてもらって走れました。ラストスパートは全日本の予選でも効いていたので、『これなら(いける)』と感じていましたし、ゴールした瞬間に『あっ、俺やれるんだ』と思いました。(チームについても)『東海、強いぞ』ということを証明し、盛り上げていきたいです」。
1部1500mでは矢口陽太(4年)が5位、1部3000m障害では小野真忠(3年)が8分31秒41と従来の大会記録を更新して2位に入った。
今季から西出仁明監督を迎え、チームの調子は上向きで勢いもある。今回の関東インカレには出場しなかったエースの永本脩(4年)を軸に、主力に怪我人が出なければ箱根予選会のトップ通過はもちろん、本大会のシード権獲得も狙えるのではないか。
著者プロフィール
佐藤俊 (さとう・しゅん)
1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。
3 / 3


