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箱根駅伝で創価大学を頂点へ導く榎木和貴監督の戦略は? 中大時代は4年連続区間賞 (4ページ目)

  • 牧野 豊/取材・文 Text by Makino Yutaka

――1年目から予選会突破、そして本戦では10区でシード圏外の11位からふたつ順位を上げてチーム史上初のシード権を獲得しました。

「学生時代、私自身は予選会を一度も経験していなかったので、手探りでチームづくりを進めながら結果が出たという感じでした。予選会は暑い条件下でのレースでしたが、条件が悪くなることも想定して夏から準備を進めていきました。ただ、予選会を突破して満足したらそれ以上は望めないので、改めて選手に問うと、『シード権(10位以内)を取りたい』と。それならチャレンジしようと、予選会が終わってからシード権獲得を新たな目標として設定しました」

――コロナ禍で迎えた2年目は往路優勝、最終10区の残り2kmまでトップを走り続け、駒澤大に次ぐ総合2位。周囲をあっと言わせる快走でした。

「簡単には勝たせてくれないと思っていましたが、本戦までのチームの仕上がりはすごく良かったです。コロナ禍であまり試合がなかったのですが、学内で行った10000mトライアルでは28分40秒台で走った選手が5人ぐらいいましたし(記録は非公認)、うまく適材適所でかみ合えば、往路優勝もいけるんじゃないかという手応えはありました。ただ、レース自体は青学さんなどの強いチームの取りこぼし(区間によって選手が持ちタイムどおりの力を発揮できないこと)も多かったので、あそこまでいけた部分はあります。

 もちろん、悔しさはありました。ただ、駒澤さんみたいに優勝を狙った上でレースに臨んだわけではないですし、目標も3位以内だったので、よく戦えたという気持ちの方が強かったです」

――その後2年間も含め、監督就任からシード校として地位を築いています。現役時代と今で、箱根駅伝に対する考え方は変わりましたか?

「非常に注目される舞台なので、どの大学も優勝したいという気持ちは変わらないと思いますし、それは私の現役時代も今も変わっていないと思います。指導者としては、選手たちがそこを目指す以上、自分の最大限のネットワークと能力を使って、うまく導いてあげたいと思います。

 ただし、現在最も強い駒澤大は大八木(弘明)総監督と藤田(敦史)監督と二頭体制で指導にあたり、そこに日本代表クラスの選手たちが集まってしっかりとスペシャルグループを作って取り組んでいます。そういった一歩先の取り組みをしているので、これから我々もその領域にしっかりと踏み込んでいかないといけないと感じています」

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