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MGCへ挑む赤﨑暁が「パリ五輪への気持ちは強くない」真意と倒したいライバルを語る (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by YUTAKA/アフロスポーツ

1320秒台を2回連続でマーク】

 赤﨑は、2時間91秒で総合8位、日本人2位になり、MGCの出場権を獲得した。だが、目標には届かず、反省点が多かった。

「タイムも日本人トップも獲れなかったので悔しかったですね。ただ、レース前の練習もうまく行かないことが多く、体調を崩したり、足をひねったり、走行距離も少なかった。その影響が30キロ以降のペースダウンにつながってしまいました。別大の時も25キロ以降、少しキツくなって30キロを越えてから一気にペースが落ちた。そこを落ちないようにしてきたんですけど、今回も35キロ以降に足が止まって、40キロまでの5キロに1602秒もかかってしまった。ラストの2キロも721秒と遅かったんで、それが2時間8分を切れない原因だと感じました」

 今のマラソンは、東京五輪で金メダルを獲得したキプチョゲや鈴木健吾(富士通)が日本記録を出した時のように35キロからのペースアップができないとタイムも出ず、勝てなくなっている。

35キロ以降が自分の課題で、今年の東京マラソンを見ていても山下(一貴・三菱重工)がそこから攻めていって日本人トップで2時間5分台を出した。実は彼には勝手にライバル心を抱いているんです(笑)。大学時代、出雲駅伝(2019年)で1区をともに走った時、自分から仕掛けたんですが残り1キロでキレイに抜かれて、そこから山下には負けたくないと思っていて。東京マラソンでの内容と結果を見ると、35キロからの走りの差が自分との差になっていると感じました」

 その後、スピード強化とスタミナ強化を計ろうとしたが、腸脛靭帯炎など相次ぐ故障が重なり、7月のホクレンディスタンスまで少し期間を空けての復帰戦となった。

 そのホクレンディスタンス網走大会5000mで赤﨑は132779で自己ベストを更新、続くホクレンディスタンス北見大会5000mでは三浦龍司(順大4年)にラストで競り勝ち、1328702レースつづけて30秒を切った。

「三浦君とのレースは、あとで読んだ記事で万全の状態ではないとありましたし、あのレース自体も三浦君にずっとついていってラストだけだったので、彼に完璧に勝ったとは思っていません(苦笑)。ただ、ラスト1周を57秒で回れて、2試合つづけて1320秒台で走れたのは、PB(パーソナルベスト)がまぐれじゃないことを証明することができたのかなと思います」

 赤﨑は、PBを出せたのは「網走の気象コンディションが良かったから」と分析したが、それだけでは1327秒は出せないだろう。スピードがついてきているのは間違いなかった。

「レース前、大塚さんには『うまくいって1330秒台だろう』と言われていたんですが、まさか30秒を切れるとは思っていなかったです。それは、昨年から始めた動き作りのドリルの効果が大きいかなと思います。地面からしっかりと反発をもらうことを意識するようにしてからポイント練習での質が上がり、スピードがついてきたのを感じることができました。このスピードがうまくマラソンにハマれば、MGCでも先頭集団についていって、面白いレースができるのかなと思っています」

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